2015年も早くも3月を迎え、新入生・新社会人として4月からの新生活に向けて、ノートパソコンの購入を検討している方の数は多いでしょう。
そこで今回は、どのようなノートパソコンを購入すべきか探るべく、KADOKAWA社内の入社1〜7年目(20代)の社員を対象に大学生時代と就職後のパソコンとスマホに関する利用スタイルなどについてアンケートを行ってみました(対象人数は計40名ほど)。
また最近のスマホは、高機能化や大画面化によって利用シーンが増えており、ノートパソコン自体のメリット・デメリットを明確にするため、大学や会社でどのような用途でそれぞれ利用しているか、ユーザーとしてどのような違いを感じているかといった点をアンケート項目に含めています。
アンケートの結果では、大学生、社会人となるにつれ、特にノートパソコンが必須の存在になっている点が明らかになっています。大学の授業や業務に“使える”ノートパソコンを購入する際には、今回の内容をぜひ参考にしてください。
パソコンは、大学での勉強、レポート提出に必須
入社1〜7年目の社員へのアンケートの結果、全員がパソコンとスマホの両方を所有していることがわかりました。内閣府が平成26年6月に公開した「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」の「大学生の周辺環境変容とコミュニケーション」でも、「所有しているデジタル機器」のうち「携帯電話・スマートフォン」が98.3%、「ノートパソコン」は80.6%となっており、「大学生にとっては、持っていて当たり前のプラットフォームになっている」としています。
またパソコン、スマホそれぞれで大学の授業のメモやレポートを書いた経験があるか尋ねたところ、スマホは非常に少なく、パソコンが圧倒的に主流であることが確認できます。パソコンの場合、授業のメモは約7割、レポート執筆は約9割です。
「スマホで授業メモ」は、あくまで緊急用
記憶に残りにくい点にも注意
スマホとパソコンそれぞれで、授業やレポートで利用する上での具体的なメリット・デメリットを尋ねたところ、スマホの場合、紙のノートやメモ、パソコンを持っていなかったりなど主に緊急時の代用品として使われているようです。デメリットは、記憶に残りにくい点としています。
スマホ利用時(授業メモ)のメリット・デメリット(抜粋)
- ・便利な点は、ホワイトボードの内容やプロジェクターなどに表示された情報をカメラ撮影できること、不便な点は記憶に残りにくいこと
- ・メモを所持していない際の代用として使用しました
- ・(紙の)ノートやパソコンがなかった時に便利。ただし、メモを取ったことをすぐに忘れる
スマホでレポートを執筆する方はいたのですが、パソコンのキーボード入力のような快適さがないこと、最終的にパソコン上にデータを移動させたなど、デメリットが大きいようです。
スマホ利用時(レポート執筆)のメリット・デメリット(抜粋)
- ・画面が小さく、パソコンのキーボードのように速く入力するのが難しいので、ストレスがたまった
- ・便利な点は、思いついたときに入力できること。ただし、書いた内容をパソコン用の「Word」にコピーする必要があり、データの移行が面倒だった
大学生活でパソコンを使う上でのポイント
授業メモにおけるパソコンのメリット・デメリットのうち、まずメリットとして多いのは、文章を大量に書きやすいこと、普段からパソコンでメモをとるとレポートを書きやすいというものです。
ノートパソコンのキーボードは、入力しやすいよう設計されており、疲れにくさも考慮されているため、文章を大量に書きやすいというコメントは納得できるものといえます。また、普段からノートパソコンで授業のメモを取るという方は、レポートを効率よく作成することを目的としているという結果になっています。できるだけいい成績を狙いたい方は、この点を覚えておくといいでしょう。
デメリットとして目立つのは、バッテリーについてでしょう。すべての教室や施設に十分な数の電源コンセントがあるわけではないので、バッテリー駆動時間が短いノートパソコンだと、持ち歩いて授業でメモを取ろうとしても動かないということがありえます。キーボードに関する「静かな講義だとタイプ音がうるさい」という点も、使い出すと意外と気になるものです。
パソコン利用時(授業メモ)のメリット・デメリット(抜粋)
- ・利点は、ノートパソコンで授業のメモをとっておくと、そのままレポート作成に利用できること
- ・便利な点は、大量の文章が容易に記述可能なことや、ネットで授業内容に関連することをすぐリサーチできること。不便な点は、ノートパソコンの場合電源コンセントの奪い合いに負けると(バッテリー残量不足で)起動できないリスク
- ・どこでも見返せるのが便利。デメリットは、ノートパソコンのバッテリーの消耗が激しいこと
- ・便利な点:ノートパソコンでメモしたデータをそのままレポートに使える。不便な点:荷物が重たくなる
- ・筆記するより早い。静かな講義だとノートパソコンのタイプ音がうるさい
- ・手書きより早くメモを取れるし、授業後にまとめ直す際も便利でした。数式の入力は不便
- ・デスクトップ上で、計算しながらテキストを作るなど、並行して作業ができる
- ・すぐに出力して使える資料用に改編しやすい。授業後のまとめ時間の短縮ができた
パソコンを使ったレポート執筆時のメリットは、手書きに比べ圧倒的に時間を短縮できること、修正のしやすさ、画面が大きいため書いた内容を把握しやすいこと、見栄え良く作成できることなどです。画面サイズの大きさや、解像度の高さが作業効率に影響している点がうかがえます。
なお、大学のレポートでは、Microsoft Officeの「Word」形式データなどで提出を求められることが圧倒的に多いです。
パソコン利用時(レポート執筆)のメリット・デメリット(抜粋)
- ・インターネットで調べ物をしながら作業できるところが良かったが、使える場所が限られる
- ・メリットは、書き直しがしやすい点。デメリットは出力(印刷)できる場所が限られていること
- ・便利な点:画面が大きいので確認時などに見やすい。不便な点:荷物が重たくなる
- ・便利な点は、見栄えの良い資料を簡単に作成できること。不便な点は特になし
- ・便利:時間短縮、修正が楽。不便:アナログ派には不評、データが飛ぶ
- ・レポートの記載内容の修正や、データ・写真などを貼り付けなどが容易にできる点は便利だと思いました。不便な点は私が作業する中では特に感じませんでした
- ・レイアウトや書体で工夫もできるので便利でした。不便は感じませんでした
- ・「Word」によるレポート提出が暗黙の了解になっている。そのため、フォーマットを多数派のものに合わせやすい
- ・手書きと比べ圧倒的な時間短縮ができる。参考文献の引用も容易
- ・Microsoft Officeがあればある程度のことが可能。グラフなどを使用した資料作成などはスマホではできない。メールベースでゼミメンバーとの共有がしやすく、複数人でのレポート制作には必須だった。不便な点はOSの違いやソフトのバージョンによるデータ展開不可など
- ・私は法学部だったので、レポートはほぼ文章だけで構成していましたが、後から追加修正を行ったり、注釈を加えたりするのが容易で便利でした。また、ゼミの課題を複数名で進めるときなどは全員の進捗状況をデータで共有するなどしていました。ただ、大学生だとパソコンのスキルに個人差があるので、ゼミ員それぞれでファイル形式がバラバラだったりして大変だった記憶もあります


