曲展開はすべてアプリ任せでOK
あとから修正も可能だ
というわけで、これですべて完成。「何が完成したの?」と言われそうだが、イントロからAメロの曲展開、ブリッジ、サビ……曲のすべてが完成したのだ。
あまりにもあっさりすぎて、この説明だけでは信じられない人のために、動画も用意した。アプリで鼻歌を録音し、自動作曲ボタンをタップするだけで、本当に曲を作れてしまうことがおわかりいただけるはずだ。
さすがに2小節のメロディーを延々とループさせるミニマルな楽曲を作るわけではなく、吹き込んだ鼻歌をベースにメロディーを発展させていき、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏……といった流れを作ってくれる内容になっている。そのため、鼻歌そのままの旋律が出てくることはあまりないようだ。
動画を見るとわかるが、「ジャズ」はかなり危険なコード進行も平気で入れてくるので、鼻歌のメロディーによっては危うい曲展開になることも多い。ジャンルなら「ポップス」「ダンス系」、曲調は「楽しげな」を選ぶと、破綻のない楽曲になりやすい印象だ。
ちなみに、できあがったメロディーを五線譜上で修正することも可能なほか、キーとなるコード、テンポもあとから調整できる。「コードの知識がなくて」という人でも、適当にいじって、雰囲気が気に入ったものを選べばよいだろう。
また、メロディーやベース、伴奏楽器、ドラムの音色も設定可能なのはうれしいところ。バンド野郎からDTM好きまで、自分の望みにあった雰囲気にできる。完成した曲は再生して楽しめるほか、もちろん保存も可能。m4aファイルとしてメールで送信する機能もそなえている。
鼻歌を歌うだけで曲が完成、やっぱり楽しい!
アレンジの参考にもなるかも
やはり鼻歌だけで曲が完成するのはとても魅力的。「作曲の知識なんてまったくない」という人でも安心だ。何もかもアプリ任せで、どんな珍妙な鼻歌でもそれなりにきれいに整えてくれるのは、実際やってみると感動である。
改善してほしい点を挙げるなら、前ページでも触れたように、カギである鼻歌の読み取り精度がやや曖昧なところか。鍵盤などを使えば確実に入力できるが、せっかくウリの機能なのだし、ここはより精度を高めてほしい。また、ちょっとぜいたくな願いという気もするが、変なメロディーを意識的に入れても、アプリ側でかなり強引に修正されてしまうことに、若干のさびしさを感じなくもない。
とはいえ、自分のつたない鼻歌が、数秒足らずで一つの楽曲になるのは、素人にとっては感動的でさえある。また、作曲経験者にも様々なアレンジの方法論を与えてくれるかもしれない。使い方によって、遊びにも実用的にも役立ちそうな面白いアプリだ。
本アプリの発表会を取材したサンキュー鈴木によれば、開発コンセプトには「ジャスティン・ビーバーのようにお金持ちになりたいな」という一文があったそうな(関連記事)。このアプリを使えば、知識がなくても売れっ子作曲家の仲間入りができる……かもしれない?
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