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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第56回

アップルのイベントの招待状に書かれた「Spring forward」の意味

2015年03月04日 16時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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夏時間への移行直後は
とにかく眠い、魔の1週間

 Apple Watchを手に入れる前の記者たちが、ちゃんと時間通りに「夏時間」になった朝10時に会場にたどり着けるのか、ちょっと心配だったりしています。というのも、夏時間に変わった直後の1週間は、筆者の個人的な体験では、とてつもなく眠いからです。

 就寝時間と起床時間が同じ、例えば夜0時に寝て朝7時に起きるとすると、日曜日の睡眠時間は1時間短くなります。たった1時間なのですが、まるで時差ボケになったように眠いのです。

 眠いだけでなく、通勤にも注意が必要です。よく引き合いに出されるのが、カナダのブリティッシュコロンビア州では、サマータイムが始まった直後の月曜日の交通事故率が一時的に増加するとの調査(関連リンク)。

 通勤時間がすでにまぶしかったり、日が早く落ちて暗かったりすることに加えて、睡眠のペースが崩れて、ウトウトしながら運転する人が増えることも原因とされています。

 そのほかにも、時計の針を進めず月曜日を迎えて、目覚ましで起きたらいつもより1時間寝坊していて、焦って出勤するからということも原因とされています。

 この調査は1998年のもので、自動的に時間調整され、かつ枕元で目覚まし時計として機能するスマートフォンが普及していませんでした。ちょっと時代を感じる理由ですね。そして、Apple Watchなら起きえない問題、とAppleは胸を張るでしょう。

それでは2015年のSpring forward対策はどうする?

 渡米後、今年で4回目の夏時間への切り替えを経験しますが、過去は3戦3敗で時差ボケ状態の眠気にさいなまれる1週間を過ごしています。

 昨年は日米間を月に1度ほど往復していましたが、そのときの時差ボケ回避テクニックは、飛行機に乗り込んでゲートを離れる瞬間から、あらかじめ到着地の時間にスマホの時計をセットしてしまう、という方法です。

 サンフランシスコ―羽田便の場合、昨年11月までは、サンフランシスコを夏時間で夜7時半に出て、羽田に夜10時ごろ到着するというダイヤでした。ゲートを離れた段階で羽田時間(+16時間)にすると、翌日の午前11時半になります。

 そこで、極力原稿を書いたり読書をしたりして、ちょっとした昼寝以外はきちんと眠らないように過ごし、東京に夜遅く着いてから思い切り寝ると、翌朝からすっきりと活動できました。

 ところが、昨年12月から出発時間が冬時間で午前0時半に変わってしまったため、パターンを変えなければなりません。

 これはつまり、東京時間で言うと夕方5時半に出ることになります。そのため、出発してから3時間ほどは起きていて、早めに就寝すると、ちょうど目覚めることには東京の午前4時ごろで着陸を迎える、というペースです。

 ところが、サマータイムへの変更は、どうもこの手法を上手く活用できずにいます。1時間早く寝てもだめ、逆に夜更かしをしてもダメ。むしろ、時計を意識しすぎていると、かえって良くないのかもしれません。

 それこそ、腕に装着するApple Watchが、上手く睡眠のサイクルをアドバイスしたり、起きる絶好のタイミングに、手首を「コツン」とする感覚で起こしてほしいところです。

 もしApple Watchが丸1日しかバッテリーが持たないというなら、寝ているときはスマートフォンとともに、充電しておかなければならないかもしれません。個人的には、一番最適化したいのは睡眠なのですが…。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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