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全天球撮影をしてVRコンテンツ製作に挑戦 第1回

実写のVRコンテンツ製作に必要不可欠な全天球カメラを探す

2015年02月25日 12時00分更新

文● 伊藤 真広 編集●北村/ASCII.jp

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高画質な全天球パノラマシステム
エルモ「QBiC PANORAMA」

 リコーの「THETA m15」の画質では満足できない、もっと没入感が感じられる動画を作りたい。しかし、そこまでお金をかけたくないという人には、エルモ社の360度全天球パノラマシステム「QBiC PANORAMA」をおすすめしたい。

 「QBiC PANORAMA」は、最大画角185度で撮影可能な超広角の手のひらサイズのアクションカメラ「MS-1」4台を専用の連結キット(以下、リグ)で接続し、全天球動画用の素材を撮影するシステムだ。

エルモ社の「QBiC MS-1」4台をリグで連結して、全天球動画用の素材が撮影できるセット「QBiC PANORAMA」。価格は公式通販で10万8000円

 撮影される動画の解像度は「MS-1」の撮影サイズである1920×1080ドットのフルHD映像×4台分となるため、Oculus Rift DK2を使っても、画像の粗さを感じることなく没入感を味わえる。

 メモリー容量が許す限り撮影できるため、長時間撮影も可能だ。また「MS-1」の重さは93gなので、4台連結しても500g前後と軽量のため、手持ちで撮影する際にも負担が小さく、手ブレなども起こしにくいという利点がある。

「QBiC MS-1」はネジでリグへ接続するので直感的に行なえる

 だが欠点もある。「MS-1」1台につき1台のスマホしかWi-Fi接続できず、4台を一気に制御するためのリモコンも用意されていない。

 そのため、タイミングを合わせて手動で4台同時に撮影を開始しないと、全天球動画用の素材となる動画撮影ができず、慣れを要する。また、撮影した動画を全天球動画へと変換するには、動画編集・変換用のソフトが必要となる。

 とはいえ、公式通販で10万8000円と、初心者向けの一眼レフカメラと大差ない価格で購入できるので、懐には優しいといえる。

32GBのMicro SDを使うとフルHDで約4時間の撮影が可能だが、リグに接続していると給電しながら撮影できたいため、バッテリーが尽きるまでの約1時間45分が撮影可能時間となる

【関連リンク】

■Amazon.co.jpで購入

全天球映像製作の定番アクションカム
ウッドマンラブズ「Go Pro」

 さらにこだわった動画を撮影したいという人には、最も普及しているウッドマンラブズ社のアクションカム「Go Pro」シリーズ6台以上を使ったシステムがある。

 エルモ社のように公式でセット商品は販売されておらず、最低でも6台の「GoPro HERO3」と専用のリグを購入する必要があり、その合計価格は22万1500円以上とハイクラスの一眼レフカメラ並みとなる。

「Go Pro」を6台使った全天球動画撮影システム。ニコニコ動画の記事などでもおなじみのライター広田稔氏が個人的に所有するものを拝借した

 ちなみに、この「Go Pro」を使ったシステムは最低6台必要が、さらに高解像度の全天球動画を撮影するために7台を使用するリグ(約500ドル)も用意されている。

 使用する台数が多いので映像が高解像度になるのは当然として、「Go Pro」と「QBiC MS-1」の最大の違いにして最大の利点は、複数台を一括して制御できるリモコンの存在だ。

 約1万円前後で発売されていた最大50台までを連動できるの「ARMTE-001」。現在、国内では販売が終了しており、リグと同様に海外から個人輸入で手に入れるか、Amazonのマーケットプレイスなどで販売される並行輸入品を購入するしかない。

 とはいえ、Wi-Fiで連動さえしておけば、手動でタイミングを合わせて撮影開始しなくても良い点は、撮影の失敗を防ぐことができるので、非常に魅力的。

 今回は、全天球動画を撮影する機材について紹介してきた。次回は、撮影した素材をOculus Riftなどで見るための全天球動画に編集・変換をするために必要なPCやソフトを紹介していこう。

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