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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第140回

最初は半信半疑、でも原理を信じて作った

Nutube開発者はなぜ真空管造りに蛍光表示管を選んだのか

2015年02月28日 12時00分更新

文● 四本淑三

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真空管ができるとは信じてもらえなかった

―― VFDをやっている会社はほかにもありますが。

三枝 蛍光表示管を発明したのは、中村 正さんという日本人なんですね。ノリタケ伊勢電子の前身の伊勢電子工業さんは、その中村博士が作った会社なんです。蛍光表示管の本家本元だったら、何か問題があっても解決してくれるんじゃないかなと思って。

―― 三枝さんのアイデアを聞いて、ノリタケさんは何とおっしゃってましたか?

三枝 原理的にはそうだが……と。最初は半信半疑のようでしたね。

遠山 最初はできると思ってなかったようなところも……。

―― なんと。じゃあ、本当にできてしまって驚かれたんじゃないですか?

三枝 つい最近、これ(Nutubeを使ったギタープリアンプの試作品)を見せましたら、音の違いにびっくりしてましたね。

遠山 ノリタケさんの工場に行って、ミュージシャンの方も呼んで、トランジスタとこれだけ音が違うんだ、というデモをやったんです。音を出すまで、どういうもので、何がいいのか信じてもらえない所もあったので。

これがNutubeを搭載したギタープリアンプの試作品。細かな仕様の説明やインプレッションについては次回!

―― 信じてもらえなかったんですか……。

遠山 そうしたらノリタケさんの開発の皆さんも相当驚いて「こんなにすごいものなんですね」って。

―― じゃあ開発中に意思を伝えるのも大変だったんじゃないですか?

三枝 試行錯誤の面もありましたからね。それは確かに思った以上に時間がかかりました。原理的には同じだから、もっと簡単にできると思ったんですけど、かなり色々なことがあって、難しかったんです。

(次ページでは、「Nutubeで造るのはまさかのシンセ!?」

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