
VAIOは、第5世代Intel Coreプロセッサー(Broadwell-U)を搭載する新「VAIO Z」(VJZ13A1)を発表した。今回の発表に関して、ケータイジャーナリストの石川温氏にコメントをいただいたのでご紹介する。
他のパソコンメーカーと戦う上での武器

石川温氏
新生VAIOの発表会に行って、驚いたのが、VAIOを製造する上で必要な部材のメーカーを積極的に公開していたことだった。これまで様々なメーカーの新製品発表会を取材してきたが、ここまでおおっぴらに明らかにするのは本当に珍しい。
いまのVAIOの置かれた状況を見るに「日本製の安心感、プレミアム感」で他のパソコンメーカーと戦う上での武器になると判断したのだろう。
正直言って、VAIOのパソコンは結構、良い値段がすると思う。ただ、ターゲットをビジネスに絞り、プロユースに応えるだけの品質、ブランドを目指すようなので、それは正しい選択に思える。
VAIOにはいたずらに価格競争などをせずに堂々と「高級路線」で戦ってほしいものだ。
個人的な希望を言えば、今後、発売される「VAIOスマホ」も日本メーカー製のパーツをふんだんに使い、安曇野で作ってもらいたい。格安スマホ市場に参入することなく「プレミアムスマホ路線」で、「違いがわかる人に売る」という戦略でも悪くないのではないか。
一部では台湾で製造しているため、遅れが出ているという話もあるが、ぜひとも安曇野で製造し「人に自慢できる高級スマホ」としてVAIOスマホを売り出してほしいものだ。
石川 温(いしかわ つつむ)
スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『ケータイ業界52人が語る「戦略」の裏側』(毎日コミュニケーションズ)など、著書多数。