東京大学工学部は2月19日、超小型衛星「ほどよし4号」384Mbit/sのダウンリンク通信に成功したと発表した。
超小型衛星「ほどよし」シリーズは、ワンメイクで性能を追求する高額な衛星開発から、機器やソフトウェアの共通化・標準化を取り入れることで経験的に信頼性を高めてコストを抑えた超小型衛星。ほどよし4号は重量64kgの小型衛星で、2014年6月にロシアのドニエプルロケットにて打ち上げられた。
今回の高速データ通信実験は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所・東京大学大学院の研究グループによるもので、高度600kmの軌道を周回しているほどよし4号から348Mbit/sでデータを送信、JAXAの受信設備でエラーなく受け取ることに成功した。より大型の地球観測衛星「だいち2号」(約2t)ではこの約2倍の通信速度を持つが、50kgクラスの衛星では世界最高速だという。
今回の通信にはアドニクスが開発したXバンド(9GHz帯)の通信装置(装置単体約1.3kg)が用いられ、16値の直交振幅変調を採用する。地上観測衛星の高画質・高機能化が進むなか、衛星から地上へ送信するデータ量も格段に増加しており、より小さな通信機で高速通信に成功したことは今後の衛星小型化に大きく貢献するという。