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13万円の高級ウォークマン「NW-ZX2」を隅々まで解説! 第2回

NW-ZX2開発陣を直撃! 最高音質へのハードのこだわりに迫る!!

2015年02月20日 12時00分更新

文● 海上 忍、編集●ハシモト/ASCII.jp

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 ハイレゾウォークマンのフラッグシップモデル「NW-ZX1」は、その音質で大きな話題を集めた。

 その後継たる「NW-ZX2」(関連記事)は、どのような考えのもと開発されたのか。今回はソニーの開発チームに取材し、スペックからは伺い知れない“込められた思い”を解き明かしたい。

NW-ZX2の開発メンバー(左から商品企画担当:田中 光謙 氏、ソフトウェア担当:村山 敬 氏、音質設計担当:佐藤 浩朗氏、プロジェクトリーダー:佐藤 朝明 氏)

NW-ZX2の開発メンバー(左から商品企画担当:田中 光謙 氏、ソフトウェア担当:村山 敬 氏、音質設計担当:佐藤 浩朗氏、プロジェクトリーダー:佐藤 朝明 氏)

“試行錯誤を重ねつつ創りあげる”
ZXシリーズの開発コンセプト

 話題を集めた製品の2号機は、誕生前から“先代超え”という宿命を負っている。2号機が成功しなければ3号機はなく、当然シリーズ化/定番化にはつながらない。

 初代(カセットの)ウォークマンにしても然り、1号機より2号機「WM-2」のほうが完成度は高く、現在に至る“ウォークマン”という一大ブランドを築いたのは2号機だ。

 ZX2も「ハイレゾ」というウォークマンシリーズにおける新機軸を打ち出す製品であり、フラッグシップたる「ZX」の名を冠する以上妥協は許されず、かつ1号機を超えねばならない。当然、開発陣もそのあたりは重々承知のはず。

ソニー ビデオ&サウンド事業本部 商品企画部門の田中 光謙氏

ソニー ビデオ&サウンド事業本部 商品企画部門の田中 光謙氏

 開口一番、ZX2の開発方針を訊ねてみたところ「“モバイルオーディオの最高音質”を目指した」(田中氏)とコンセプトは明快だ。

 「バッテリーの強化とメモリカードのサポートは、ZX1ユーザからの要望を考慮した。新コーデック『LDAC』の追加によるBluetoothオーディオの強化、DSD再生面におけるソフトウェアの作り込みなど、必要な機能も吟味している」(田中氏)と、改良および新機能を加えたデバイスがZX2と考えてよさそうだ。

ビデオ&サウンド事業本部 V&S事業部のシニア エレクトリカル エンジニアの佐藤 朝明氏(左)と、同事業部エレクトリカル エンジニアの佐藤 浩朗氏(右)

 しかし、ZX2をストレートな改良版として捉えるのは誤りだ。「ZX1の時もそうだが、ほとんど制約がない状態から開発をスタートした。こういう部品を使おう、という話は開発スタートの時点ではなかった」(佐藤朝明氏)とのこと。

 どこまでできるのか試行錯誤を重ねつつ創りあげる――それがZXシリーズ共通の進め方なのだ。

 最高音質を目指すという心意気はわかるが、企画を通すためどのように周囲に理解させるか訊ねたところ、「ある程度の構成で実際に音を聴いてもらうことにより、どのような商品になるかを実感させる」(佐藤浩朗氏)のだという。

 周到なマーケティングもあるのだろうが、「音」が製品の軸であることは確かだ。

(次ページに続く、「デジタルアンプの長所を生かす思想」)

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