VAIOのモノづくりは「過程から変えた」
関取社長は、「VAIOは、『自由だ、変えよう』という宣言からスタートした。そして、固定概念をぬぐい去り、本質+αのモノづくりを目指してきた。今回、披露した新製品は、商品企画から設計、製造、品質保証、間接部門に至るまで全員で作り上げ、すべてのチームが最初から参加する『上流設計思想』で作り上げたものである。MADE IN AZUMINOの最初の1台になる」と語る。
そして、VAIOのモノづくりは、「過程から変えた」とも語る。
VAIO Z Canvasでは、「共創」という考え方を持ち込み、開発段階からプロトタイプを公開。イラストレーターや漫画家といったクリエイターに、実際に製品を使ってもらい、ここで得た意見を、モノづくりへとフィードバックした。「これまでにはあり得ないモノづくりを行なった」と、関取社長は語る。
さらに、関取社長は「VAIOは顧客視点ではなく、ひとりひとりの個客に目を向けた個客視点により、お客様が必要な製品づくりに邁進していきたい」とも。小さな会社だからこそできる「個客」という考え方だといえよう。
その一方で、「独立したVAIOが大きく変わったところがある。それは、他社との積極的な協業だ」と語る。
国際放送機器展でのキヤノンとのコラボレーションにより、VAIO Z Canvasのプロトタイプをキヤノンブースに展示。さらには、VAIO Zにおいても、UDカーボンの採用における東レとの協業、極薄高効率ヒートパイプのフジクラとの協業のほか、流体動圧軸受ファンでは日本電産、静音キーボードでは沖電気工業、ブラスト加工アルミでは東陽理化学研究所、高演色LEDおよび集光バックライト液晶パネルではパナソニック液晶ディスプレイとのパートナーシップで、モンスターPCを作り上げた。
「ただの国産ではない。まさに日本代表といえる製品」と、VAIOの商品プロデューサーである伊藤好文氏は自信をみせる。
関取社長も、「キヤノンブースへの出展では、ソニーに断りを入れた」と笑いながら、「VAIOとして独立して以降、外部企業との接触が増えている。そして、我々がパートナーを選べる柔軟性もある。VAIOへの可能性を感じてもらえるパートナーが多く、我々にとっても、独立したことでチャンスが増えている」とする。
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