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スマホで始める「音楽アプリ部」 第70回

シンプルで簡単だからおススメ

失敗しない! 初めてのリズムマシンはiPad版「D-Pad」がいい

2015年02月15日 12時00分更新

文● 藤村亮

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シンプルなシーケンサーはサンプルを参考してみよう

 MIXER画面で音の調整が済んだら、画面上段メニューのGRIDボタンを押し、GRIDモードをいじってみましょう。

 GRIDモードでは各パートのシーケンスデータを打ち込めます。一般的な16ステップシーケンサーと同じ感覚で、パレットを埋めると打ち込みの音ができます。

 シーケンサーは青く点灯したところで音が鳴る、というとてもシンプルなもの。スワイプするとまとめて打ち込み、取り消しが可能です。サンプルのシーケンスパターンは6種類用意されているので、参考にしてみるのも良いでしょう。

 「BAR SELECT」の1~4の各小節に異なるパターンを設定しておいて、展開に応じて切り替えるのが基本的な使い方になると思います。BAR SELECTで「ALL」を選択していると1~4それぞれのシーケンスパターンを1小節ずつ演奏してループ再生、という形になります。

 シーケンスのBPMは画面上部メニュー左端の「B...」をタップするとBPMバーが開き、BPM40~240までをシームレスに切り替えられます。

プリセットパターンは6種類と少ないので、自作パターンをどんどん追加したほうが扱いやすそうです

エフェクトは強烈な効き

 画面上部メニューの「FX」ボタンを押すとエフェクターの設定画面に移行します。

 「REVERB」「COMP」「FILTER」「DELAY」「BITCRUSHER」「PHASER」「3BANDEQ」の7種類があり、各エフェクターのミニスイッチでオンオフを切り替えます。それぞれのエフェクターは掛かりが深く、オンにするとガラリとキャラクターが変わるほど強烈な効きです。

 エフェクトのルーティング(エフェクトが掛かる順番)は把握できず、また変更もできません。3つ以上を同時に掛けてしまうとアプリの負荷がきつくなってしまうので、必要なエフェクトをシーンに応じて適宜切り替える使い方が向いていると思います。

デザインは一見チープながらエフェクトの効果はかなり深く掛かります

初めてにおススメ! 慣れたら作曲の補助として使うといいかも

 とにかく機能がシンプルでわかりやすく、ループを再生させてパッドをオンオフするだけで音が出るので、初めて触るリズムアプリとしてはオススメできると思いました。

 シーケンスの強弱がつけられないので有機的なリズムを作るにはまったく不向きですが、機械的なビートが活きるダブステップやテクノなどでベーシックなビートを担当させるのには使えそうです。

 こだわりが感じられるエフェクター群は使えば面白いです。が、負荷が極端に大きいようで、その面白さを活かしきれない部分があるのは惜しいところ。打ち込み部分も「弱・中・強」の3段階程度でもいいので設定ができれば、グルーブ面での底の浅さを感じることも少なかったかもしれません。

 個人的には1~4の各BARをAメロ用/Bメロ用/サビ用/間奏用という感覚で、それぞれに異なるビートを打ち込んでおき、そのリズムの上でギターやキーボードを弾いてみる、という作曲補助ツール的な使い方をしています。

 音色の出来や基本的な部分は充分なので、今後のアップデートで負荷の軽減や、使い込む楽しさを持てる要素が追加されてくれるとうれしいですね。



藤村 亮(ふじむら りょう)

photo by Shin Kobayashi

 1981年生まれ、Ibanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックミュージシャン。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年よりベルギーのインディーズレーベルと契約し、"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国のJ-Musicイベントにゲスト参加した。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度のライブツアーを敢行。さらに、2013年11月にはヨーロッパツアーを終え、2014年1月1日から一日一曲アップロード企画「Daily Sound Scape」をSoundcloud上で開始。

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