荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第393回

写真映えするように黒猫を撮るコツ

黒猫を撮るには日差し、または背景が大事！

　実はこのあと猫がすっと日陰に入ったのだけど、そうするとどうも写真映えしない。黒猫のポイントは日なたにいてくれてこそですな。

　というわけで、黒猫を一目でわかるように撮るには、日差しがいい感じに当たってるか背景が明るい色で黒猫の黒さを引き立たせてくれるかが大事ということになる。

こちらは短毛のきりっとした黒猫。目ヤニをとってあげたいけど、近寄らせてはくれず。首の青い鈴がかわいい（2015年2月 オリンパス Stylus 1s）

　後ろの生け垣がいい感じだったので、背景が緑になるようしゃがんで地面すれすれで黒猫。声をかけたらいい感じで振り向いてくれた。首輪をしているところからして、このあたりの飼い猫だろう。

　日陰にいても背景が白いと黒猫は目立ってくれる。

駐車場の奥に見つけた黒猫。じっと見つめ合ってしまった。カラフルな首輪が黒猫に似合ってる（2015年1月 オリンパス Stylus 1s）

　駐車場に黒猫を見つけたのでカメラを向けたら車と壁の間からちょろっとこっちを見てくれた。後ろの壁が白くて少し日差しが当たってたので黒猫の輪郭がきれいに出てくれたのだ。

　もうひとつ、道路を横切る黒猫。カメラを持って歩いてたら目の前をたたたっと横切ってくれたのですかさず流し撮り。

横切る黒猫を中望遠のレンズで流し撮りの図。たたたたと脇目もふらず走っていったのであった（2014年12月 キヤノン EOS 70D）

　アスファルトも黒猫に比べれば十分白っぽいのでよいのである。

　さて最後は発泡スチロールで出来たおうちでぬくぬくと休んでる黒猫を。発泡スチロールって断熱性が高い上に毛布まで敷いてもらったりして、気持ちよさそうに寝てたのだ。

　人の気配を感じて目を開いちゃったけど、おどかさないよう、遠くから望遠で狙ってみた。

発泡スチロールの家でぬくぬくくつろいでる黒猫（2015年2月 オリンパス Stylus 1s）

　で、面白いのはこの発泡スチロールの家がある場所。こうしてみると、庭先にでもちょんと置いてあるのかな、と思うでしょ。

　実はこんなところに猫のおうちはしつらえられていたのだ。

実は猫の家、空中ハウスだったのだ。いやあこんな場所、猫にしか使えまないし、前を人が通ってもなかなか気づかない。よく考えたものだなあと感心したのである（2015年2月 オリンパス Stylus 1s）

　いやあ、軒先に作られた猫用の小さな家ってよく見かけるけど、この場所に作るという発想は見事。

　猫にしか使いこなせない家なのであった。

　実はこの猫ハウスや先ほどの暗渠猫は、暗渠や古道や微妙な地形を楽しむ面々との街歩き散歩で出会った猫。普段は素通りするような細かい道を歩くので、毎回数匹の猫とこんな感じで出会う。それもまた楽しいのである。

筆者紹介─荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい！』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』（ソフトバンク新書）、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』（玄光社MOOK）。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/