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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第53回

日本初開催のInstagramミートアップ「#MeetMeJapan」 つながりで写真を学ぶ、楽しむ

2015年02月11日 15時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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今のInstagramのトレンドは
スマホではなくデジカメで撮って、後からアップ?

 スマートフォンで写真を撮影し、編集してすぐに共有。これがInstagramの醍醐味とも言える“シンプルさ”です。昨年のアップデートで、フィルターが増えただけでなく、写真の明るさや色味を詳細に編集することができる機能も搭載され、ますます自在に写真を加工できるようになりました。

 Yumaさんは、海外のユーザーも含めて、外部アプリで加工してからInstagramで仕上げる手法がよく用いられていると紹介してくれました。人気があるのはVSCO Cam。Yumaさんは加えてSnapseedで仕上げてInstagramへ投稿するそうです。

 しかし、それだけではありません。

 今回のインスタミートに参加すると、写真の撮影をスマートフォンで行っている人は半数ほどでした。その代わり、使っているのは一眼レフ、ミラーレス一眼などのレンズ交換式カメラ。普段使っている好きなカメラで撮影しながら参加している人が多かったのです。

 最近では本体、あるいはSDカードにWi-Fi機能が搭載されているため、スマホ以外のカメラで撮影しても、すぐにInstagramが入っているスマホに写真を転送することができます。そのため、インスタミートでも、使い慣れたカメラを利用しているのです。

スマートフォンだけで撮影するのと同じくらい多かったのが、一眼レフ、マイクロ一眼で撮影するスタイル。Wi-Fi内蔵カメラやSDカードが増え、お気に入りのカメラで撮影した写真をInstagramでシェア、というスタイルが簡単になった

 スマホのカメラの性能も上がってきましたが、やはり依然として、センサーの大きさ、レンズのクオリティがものを言う写真の世界。加工するとしても、元の写真の質にこだわるのが、Instagramを使いこなしている人たちのテクニックということでしょう。

 また、中にはフィルムカメラや、今や懐かしいレンズ付きフィルム(「写ルンです」など)で撮影し、現像した写真をスマホに取り込んでInstagramに投稿している人もいました。

 そんなことから、最近、Instagramのミートアップといっても、決められたハッシュタグ(#○○)に写真が投稿されるまで2週間ほどの時間を要することもあるそうです。

街の魅力の発見を、写真の楽しみとともに

 東京のさまざまな場所を出発するグループは、そのプランにも趣向を凝らしていました。

 上野を出発するグループをサポートしたYumaさんは、写真で切り取りたい、街の風景を下見していたと言います。ある程度フォトジェニックな風景を見つけておくことで、うまいInstagramユーザーが初心者に実際に撮影した結果を見せながら、写真の撮り方やアプリの使い方を教えることができるのです。

 また浅草のグループは、世界に発信したい日本の風景というテーマで街を選び、日本人のInstagramユーザーの視点で切り取った日本らしい風景を集めていました。写真という非言語の情報という特性も生かされる使い方といえるでしょう。

 一方、大門を出発するグループは、あえて東京タワーの風景を選びました。東京タワーという被写体は撮影し尽くしていることから、撮影そのものよりは集まってのディスカッションに主眼を置いたプランを狙ったと言います。あるいは壁というテーマを探しながらのインスタミートを行ったグループもありました。

 Instagramの魅力、地域の魅力、被写体の魅力、ミーティングの魅力など、様々な切り口でのインスタミートを楽しんでいる様子が印象的でした。Instagramが掲げるシンプル、クリエイティブ、そしてコミュニティという3つのコンセプトのうち、一人だけではなかなか体験できない「コミュニティ」の楽しさを、参加者の皆さんも存分に感じたのではないか、と思います。

 1月最後の日のお台場は、冷たい風が吹き荒れる、体感気温が低い夕方でした。都内7ヶ所から出発したインスタミートがお台場に集結し、夕日をバックに集合写真を撮影し終えた後も、各方面から集まってきた人同士で引き続き写真を見せ合ったり、撮影を続けたりする様子は、なんとも心温まる風景でした。

Instagramの特徴の1つとして「コミュニティ」があり、Instagram自身も今後日本でも育てていきたい要素としている。インスタミートのサポートや様々な活用をサポートしていきたいとのことだ

 写真って良いですね。というわけで、夕方のお台場で筆者も1枚。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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