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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック”第59回

Apple Watchの出荷が、なぜか遅れてみえる理由

2015年02月13日 09時00分更新

文● 前田知洋

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 当初「Early 2015」と発表されたことから、Apple Watchの発売が2015年の初頭だと予想していた方も多かったのではないでしょうか。それが先日、AppleのCEO、ティム・クック氏が発売時期を「4月」と明言。アナリストや記者の間では、「Apple Watchの発売時期が遅れているのでは?」「バッテリーの持ちで苦労している?!」とか「歩留まり(製造上の不良品率)が悪いから…」なんて邪推する人々も少なくありません。

バッテリー問題よりも、スマートウォッチの誤解をどう解くのか?

 ガジェット好きなユーザーは、手首の上で「HD動画見たい!」とか、「カメラあったら…」「おサイフケータイがっ!」など、いわゆる「全部入り」をApple Watchに期待していた方もいらっしゃるはず。

 しかーし!常に削ぎ落とすことで新しいプロダクトやライフスタイルをユーザーに提案してきたApple。1998年に初登場したiMacでは、当時主流だったFDドライブを廃止。ポートもUSBをメインにしました。さらに、現行のiMacでは光学ドライブさえも搭載していません。

 そのマイナスの美学は、それだけではありません。GoogleTVのリモコンは78ものボタンがありますが、AppleTVのリモコンのボタンは、なんと3つ。2000年に、ボタンがひとつもないマウスを発表したのもAppleでした。

 もちろんAppleは詳細を明らかにしていませんが、噂サイト9to5Macにリークされた情報によりますと、Apple Wachは標準的なアプリケーションで3.5時間、ゲームで2.5時間、フィットネスのアプリケーションで4時間だそう。数値だけ見ると、バッテリーの持ちが短い感じがするかもしれません。

 しかし、よく考えれば、誰も42mmや38mmの画面サイズで映画見たりしませんし、ゲームを2時間遊んだりもしないはず。友人に家族写真を見せたり(子供やペットのポートレート写真ならギリギリありかも)、時計の針だけを3時間も見続けたりしないでしょう。

 普段、画面はスタンバイ/スリープ。ユーザーが手首を返したり、腕を持ち上げたときだけ、画面がアクティブになることを想定しているはず。そんな使い方なら、1日(19~20時間)は充電なしで機能するといわれています。そうした、コンピュータとは異なるスマートウォッチの使い方、ライフスタイルをユーザーに提案できるかがカギになると筆者は思っています。つまり、バッテリー問題というよりも、「スマートウォッチの使い方をどう提案していくか?」が本質かと…。

ガジェット?それともファッション?

 いままでもAppleは、世界中の異なる文化、民族、世代も違う、いろいろな職業の人々に自社のプロダクトが浸透し、そこから生まれるのかをストーリーを提案、成功してきました。そうしたロマンチックなストーリーラインは、新製品ごとに登場する洗練されたテレビコマーシャルからも明らかです。

 Apple Watchは2種類(42mm/38mm)の画面サイズと6種類の本体(計12パターン)、材質の異なる6パターンのベルトの組み合わせ。自由にインストールできる文字盤、さらに連携するiPhone6/iPhone6Plusを考慮すれば、ユーザーごとのストーリーやライフスタイルは、ほぼ無限かもしれません。そうなると、ガジェットというよりファッションに限りなく近くなってきます。

Apple Watchは、iPhoneとの組み合わせて使う


 

(次ページ、「出荷が遅いのではなく、発表が異例的に早かった」に続く)

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