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6段配列キーボードに回帰、毎秒1200MB超す高速SSDと熟成した操作感

ため息が出るほど快適な、第3世代「ThinkPad X1 Carbon」

2015年02月09日 09時00分更新

文● 編集部

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順当な進化をベンチマークから感じ取る

 すでに述べたように、機能的には第2世代のThinkPad X1 Carbonとほぼ同等で、以前の記事で触れた特徴がほぼそのまま当てはまる(関連記事)。入出力端子は、2系統のUSB 3.0端子、HDMI出力端子、専用のGigabit Ethernet変換アダプター用の端子、ポートリプリケーター接続用のOneLink端子などを装備する。

左がOneLink端子。ThinkPad純正のポート拡張オプションが利用できる。ディスプレー出力は2系統持つ。

 薄型のデザインや静粛な動作音を含め、第2世代ThinkPad X1 Carbonは十分に完成度の高さを感じられたもので、現状でも十分通用するものだろう。スペックのカスタマイズが可能で、試用機はCore i7-5600U搭載の上位構成で、液晶ディスプレーはWQHD解像度(2540×1440ドット)のタッチパネル付きとなり、重量は1.4kgほどとなる。

 直販価格で20万円を超えるが、ほかにタッチパネルなしや解像度がFHD(1920×1080ドット)のモデル、Core i5搭載モデルも用意されており、最小構成ではより軽い約1.3kgの重量となる。クーポン券の活用などでより安価に購入できる場合もある。

試用機のスペック
製品名 第3世代ThinkPad X1 Carbon 第2世代ThinkPad X1 Carbon
CPU Core i7-5600U(2.6GHz) Core i7-4600U(2.1GHz)
メモリー 8GB 8GB
SSD 256GB(PCIe 2.0 x4) 256GB(SATA 3.0)
GPU Intel HD Graphics 5500 Intel HD Graphics 4400
解像度 2560×1440ドット 2560×1440ドット
OS Windows 8.1 Pro(64bit) Windows 8.1(64bit)

 パフォーマンスに関しては、PCMark 8の結果で2384と(2200前後だった旧機種のスコアに対して)向上している。PCMark07の比較では、第2世代機の5274(Core i7-4600U-2.1GHz、8GBメモリー、SSD256GB)に対して第3世代機(Core i7-5600U-2.6GHz、8GBメモリー、SSD512GB)では5509となっており、いずれも性能が向上している。

PCMark07

PCMark 8

抜群に速いストレージ性能

 PCMarkはアプリケーションを使った処理時間に基づいて結果を導き出す、統合型ベンチマークテストのため、より細かくテスト内容を見ていくと、Creativity scoreのSystem storage importingが1.5倍程度の高い結果になっているなど、ストレージ速度の大幅な向上によるものであることが伺える。

Crystal Disk Mark(青色がリード、赤色がライト)

 デバイスマネージャで確認したSSDの型番はSamsung製の「MZHPV256HDGL-000L1」。こちらはM.2接続でPCIe 3.0/PCIe 2.0 x4両対応のデバイスとなる。SSDのスペック上はPCIe 3.0接続時で毎秒2150MB(リード)/毎秒1550MB(ライト)、PCIe 2.0接続でも毎秒1600MB(リード)/毎秒1350MB (ライト)の性能を持つ。レノボの説明では使用しているコネクターの制限で、PCIe 2.0での接続になるという。

 Crystal Disk Markの結果を見てみると、シーケンシャルのリード/ライトで毎秒1347MB/毎秒1239MBと、通常のノートパソコンのレビューでは見られない数字をたたき出している。ランダムアクセスでも軒並み高スコアを示しており、従来機種はもちろん、一般的なノートパソコンと比較しても圧倒的に早い。同じSSDでもSATA接続とは次元が違う速度。SATA 3.0(6Gbps)のSSDをRAID0でストライピングするより高速な結果だ。

 パソコンの性能は十分に高くなり、ベンチマーク数値のちょっとした違いでは体感できないといっても、ここまで速いと、大きなデータのコピーだけでなく、ちょっとしたファイルの読み込み、アプリケーションの起動などでも体感できるほどの差がある。もしThinkPad X1 Carbonを選択するなら、多少高価でもPCIe接続が圧倒的にお勧めだ。

 バッテリー駆動時間はどうか。フリーソフトの「BBench」を使用し、液晶輝度100%の状態でキーストローク、無線LANでウェブサイトの読み込みをし続ける設定で、残量5%でサスペンドに入るまでの時間を計測したところ、こちらも7時間17分1秒と優秀な成績が出た。液晶輝度を高く設定した状態での結果であるため、設定を調整することで、JEITA 2.0測定基準による公称値約9.2時間に迫る結果が得られるだろう。

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