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お得な10.1型タブレット「MT-iCE1000WN-BG」

5万円台で買えるWindowsタブレットのパフォーマンスとは

ベンチマークを交え、マウス10.1型タブレットの性能に迫る-「MT-iCE1000WN-BG」

文●高橋量

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ライトな作業ならストレスなく使える

 続いて、「MT-iCE1000WN-BG」のベンチマーク結果をご覧いただこう。Windows 8.1の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果については、下記の表のとおりとなった。

試用機の「Windowsシステム評価ツール」の結果

試用機の「Windowsシステム評価ツール」の結果
CpuScore(プロセッサ)4.7
MemoryScore(メモリ)5.5
GraphicsScore(グラフィックス)3.4
GamingScore(ゲーム用グラフィックス)3.6
DiskScore(プライマリハードディスク)6.6

 グラフィックス関連のスコアについてはシステムの快適さにあまり影響しないため、気にする必要はない。キモとなるのはCPUとメモリー、そしてストレージ周りのスコアだ。数値としては他の格安タブレットよりもやや高めといったところ。メールやネット閲覧、文書作成などのライトな使い方には十分な結果が出ている。レビューにあたって実際にWindows 8.1を試用しているが、ソフトの起動や画面表示に一瞬の間がある場面はあったものの、特にストレスを感じるほどではなかった。

 ストレージのアクセス速度を計測する「CrystalDiskMark」では、シーケンシャルリードで141.1MB/秒でHDDと同等かやや速い結果が出ている。ただしシーケンシャルライトでは47.79MB/秒と低い結果となった。読み込み速度よりも書き込みが速度が大きく低下するのは、eMMC全体の傾向なのでやむを得ないところ。だが、Windows 8.1の体感速度に大きく影響する「4K」(4KBのランダムアクセス)のスコアを見ると、HDDの平均値である0.5~1.0MB/秒よりも格段に速い。システムの快適さはHDDよりも上だ。

「CrystalDiskMark」によるストレージのアクセス速度計測結果

 CPUの処理能力を計測する「CINEBENCH」では、「CPU」のスコアが「0.78pts」、「CPU(シングルコア)」が「0.40pts」という結果となった。Ultrabookや格安なスタンダードノートと比べると、やはり処理能力は低い。だがタブレットのなかでも特に格安モデルと比べれば、スコアは高いほうだ。この点からも、「MT-iCE1000WN-BG」のコストパフォーマンスの高さが伺える。

「CINEBENCH R11.5」ベンチマーク結果

 日常的な作業の性能を計測する「PCMark 8バージョン2」の「Home conventional 3.0」では、「1023」と低めの結果となった。詳細を確認してみるとネット閲覧(Web Browsing)のスコアは問題ないものの、負荷の高い画像処理周り(Photo Editing v2やVideo Chat encoding v2、Casual Gamingなど)のスコアが低い。メモリー容量が2GBであることを考えれば、妥当な結果だ。ビジネス関連の性能を表わす「Work conventional 3.0」のスコアについては、格安タブレットとしては優秀だ。

「PCMark 8バージョン2」の「Home conventional 3.0」ベンチマーク結果

「PCMark 8バージョン2」の「Work conventional 3.0」ベンチマーク結果

分かっていたが、FFやドラクエは困難

 次にゲームプレー時のおける3D描画性能についてなのだが、総合的な3D性能を計測する「3DMark」では途中でエラーが発生してしまい結果を得ることができなかった。

 代わりにゲーム系ベンチマークの「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」と「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」を試してみたところ、いずれも「動作困難」という評価が出ている。「MT-iCE1000WN-BG」で3Dゲームをプレーするのはかなり厳しいだろう。だが2D描画が主体のブラウザーゲームであれば、特に問題なくプレーできるはずだ。

「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」ベンチマーク結果

ドラゴンクエストXベンチマークソフト」ベンチマーク結果

バッテリーは4時間ちょっと

 最後に、バッテリー駆動時間の計測結果を紹介しよう。下記の条件でテストを実施したところ、開始から4時間13分でバッテリー切れとなり休止状態へ移行した。カタログ上の公称値である4.5時間(4時間30分)よりもわずかに短い結果だ。

 無線LANにアクセスし続ける負荷の高いテストとはいえ、約4時間という結果は正直なところやや短い。だが画面の明るさをさらに落としたり、ネットを使わないときは無線LANをオフにすればより長く駆動するはずだ。ある程度意識しながら利用すれば、丸1日程度は問題なく駆動するに違いない。

バッテリー駆動時間テストの条件
・電源プランを「省電力」に設定
・無線LANとBluetoothをオンに設定
・ボリュームは50%に設定
・液晶ディスプレーの明るさを40%に設定
・液晶ディスプレーの輝度調整機能を無効化
・テストには「BBench」を使い、10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化

試用機のバッテリーレポート。「InstantGo(Connected Standby)」には非対応で、バッテリーの設計容量は27200mWhとされている

5万円台のオフィスマシンとして使う

 格安タブレットの「MT-iCE1000WN-BG」は控えめな性能のパーツ構成だけあって、各種ベンチマークはそれなりの結果となった。確かにクラムシェル型ノートやデスクトップと比べると性能面で劣るが、タブレットとして考えるならそれほど悪くはない。格安タブレットのなかでは、比較的性能が高い。

 「MT-iCE1000WN-BG」の使い道としては、手軽に持ち運べるオフィス搭載マシンとしての利用をおすすめしたい。WordやExcel、PowerPointを使う程度であれば性能的には問題なく、付属のBluetoothキーボードを使えば文書をスムーズに作成できる。microHDMI端子を用意しているので、外付けの液晶ディスプレーに接続すれば広いデスクトップで作業することも可能だ。税込み5万3784円の値段でビジネスに必要な一式が揃うと考えれば、なかなかいい選択肢ではないだろか。

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