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世界最大の楽器展で出た注目製品をピックアップ

モーグもコルグもシンセ復刻! NAMMショーのトレンドに迫る

2015年02月01日 12時00分更新

文● 四本淑三

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アナログシンセの名機「ARP Odyssey」がついに登場!

 アナログシンセの分野で先制攻撃を仕掛けてきたコルグですが、今年はそこにトドメを刺してきた感があります。あの「ARP Odyssey」の復刻版がついにNAMMショーで発表されたわけです。

ARP Odysseyの特設サイト。Odysseyや、それにまつわる歴史が網羅されています

 ARP Odysseyは1972年に発売され、ARP Instrumentsが倒産する1981年まで生産されていました。大きく高価なモジュラー型に対し、もっと小型で安価なシンセサイザーは作れないかということで開発された製品で、コンセプトとしてはMinimoogと同じです。

 そのARP Odysseyをコルグが復刻すべく開発していると発表されたのが、2014年の2月※1。しかもARP Instruments創設者の一人であるデビッド・フレンド氏を招いての開発という、当たり前の世の中に生きている限り起こり得ない展開に絶句したものですが、いや、本当に出てきました。

※1 当時のニュースリリースでは2014年9月発売とされていました。

 発表の模様は21日15:00(日本時間22日8:00)からアナハイムよりYouTubeでストリーミング中継され、私も朝っぱらからアポロ11号の月面着陸よろしく息を呑んで見守りました。

当日の発表の模様はYouTubeにアーカイブされています。おなじみコルグ・坂巻匡彦氏と高橋達也氏、そしてデビッド・フレンド氏の三氏が並んだ絵は、なかなか感慨深いものが。

 ティーザー画像ではミニ鍵盤に見えましたが、オリジナルより86%小型化して、幅のみ細いスリム鍵盤を採用。6pDINのMIDI INとUSB MIDIが付いているのが、オリジナルとの大きな違いでしょうか。

 Odysseyには生産時期によって3つの仕様があり、フィルターの効き方とパネルデザインが違います。復刻版のパネルデザインは最終型「Rev3」を踏襲したもののようですが、フィルターはパネル上のスイッチで3つの仕様「I/II/III」を切り替えられるようになっています。相変わらずマニアックなことをするなあと思います。

 また限定生産ながら白パネルの「Rev1」、黒パネルの「Rev2」も出るそうです。Rev3仕様の通常モデルは3月下旬、Rev1とRev2モデルは5月下旬の発売ということです。

 なお、お値段はまだ発表されていません。

 お値段といえば「Double the features at Half the price(性能は倍に、価格は半額に)」を社是とするベリンガーさんも、復刻版Odysseyの開発をやられている様子です。昨年末にFacebookページに写真が上げられ、「500ドル程度」と価格まで示されていたことから、年明けのNAMMショーで発表かとウワサされていました。ですが、ベリンガーブースには見当たらなかった模様です。

(次ページでは、「コルグはさらにMS-20M Kit + SQ-1を復刻」

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