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「ALPHA 1」の肝はエンジニアリングや音に価値を見いだせるか

マニアックな意欲作、開放型でハイブリッド構成イヤフォンを試す

2015年01月18日 12時00分更新

文● 四本淑三、写真●篠原孝志(パシャ)

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開放型で聴くバランスド・アーマチュア

 とはいえ、フィンを使って固定するのが、このイヤフォンは一番良いのかもしれません。

 ALPHA 1は、この大口径ダイナミックドライバーの上に、バランスド・アーマチュア型ドライバーが乗る格好になっています。ユニットの開口部はなんと横向き。果たしてこれはどんな風に聴こえるのでしょうか。

イヤフォン開口部の上に乗ったチューブの中にバランスド・アーマチュア型ドライバーが入っています

 バランスド・アーマチュア型は、補聴器やステージ用イヤーモニターのような、密閉型のカナル型イヤフォンで使われるドライバーです。それを開放型で使ったイヤフォンというのは経験したことがないので、ここに一番興味がありました。

 その効果のほどですが、まずベースとなるダイナミック型ドライバーに対して付加されたツイーター以上のものがあると感じました。ただ、先のフィンやチップを使ったセッティング次第で、音質はかなり変わってきます。それは装着時の角度が違うと、高域のバランスも変わってしまうからです。低域に比べると高域の成分は指向性が強いので、当然といえば当然なのですが。

 この角度を固定するにはフィンを使うのが一番良いのですが、フィンを使うと中音域に抜け落ちる帯域が生じて、あまりバランス良く聴こえません。ここも当然ながら個人差のあるところと思いますが、私は音質と装着性のバランスで「Balance/Musical」あたりがベターなのかなと感じています。

これは若干傾斜角のついた「Balance/Musical」を装着したところ

これはBalance/Musicalより薄く、傾斜角のない「Airy/Resolution」

ウレタン製の「Full/Balance」は、一般的なインイヤー型のフィッティング用によく見られるものです

(次ページでは、「斬新なエンジニアリングは魅力的ながら」

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