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「ALPHA 1」の肝はエンジニアリングや音に価値を見いだせるか

マニアックな意欲作、開放型でハイブリッド構成イヤフォンを試す

2015年01月18日 12時00分更新

文● 四本淑三、写真●篠原孝志(パシャ)

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16mmドライバーは着脱が面倒だが、低域の表現は他にないものに

 口径の大きなドライバーを使えば、低音のよく出るイヤフォンが作れる。それが大口径ユニットを使うメリットです。しかし、通常インイヤー型に使われるのは直径13mm程度のユニットが上限のようです。

 直径16mmのドライバーを使ったイヤフォンとしては「MDR-EX1000」などソニーの製品にいくつか存在しますが、いずれもドライバーユニットを直接耳に押しこむタイプではなく、カナル型のイヤーチップを介して装着するスタイルです。すなわちドライバーユニット自体は耳の外側にレイアウトされているわけです。

 そうした設計になるのは、もちろん音響設計面での理由もあるのでしょうが、16mm口径のドライバーを単純なインイヤー型に使った場合、誰の耳にも収まる万人向きの製品にはならないというのも、大きな理由ではないかと思われます。

 私はALPHA 1で、16mmダイナミックドライバーのインイヤー型というものを初めて経験しました。量感と歯切れの良さが共存した低域の表現は、ちょっと他にはないものだろうと感じましたし、ここはALPHA 1を選ぶ大きな理由になるでしょう。

 ここは個人差が大きいはずですが、私がもっとも快適に使えたのは、付属のフィンやリングを装着しない裸の状態でした。フィンを使うと耳にはめこむような感じになり、ちょっとしたカナル型のように着脱が面倒に感じます。

フィンを付けた状態で装着してみた図。かなりでかいと思いました

(次ページでは、「開放型で聴くバランスド・アーマチュア」

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