紫色の紙袋、その正体はバッテリーだ 写真:JENAX(以下同)
にわかに信じがたい技術が発表された。くしゃくしゃになった紫色の塊はバッテリーだというのだ。
ウェアラブルデバイスの展示会「ウェアラブルEXPO」に出展していた韓国企業ジェナクス(JENAX)が発表したフレキシブルバッテリー「J.Flex」だ。メタルファイバー技術を使ったリチウムイオン二次電池で、10万回の屈曲に耐えるという。開発元はJ.Flexが「バッテリーの概念を変えられる」と自信を見せる。
サイズは用途に合わせて3.5センチから3メートルまで調整してオーダーが可能。円、星、十字など、さまざまな形に加工できる。幅3.7センチ、長さ1メートルほどのベルト状、あるいは幅20センチ、長さ3メートルほどの帯状にも加工できるため、ウェアラブルデバイスに向いているという。
従来、ウェアラブルデバイスの課題は小さなバッテリーだった。たとえばApple Watchのバッテリー寿命は1日しかもたないと言われている。一方、J.Flexであれば、たとえば56×220mmの腕時計サイズなら2500mAの容量を確保できる。同社によれば、従来スマートウォッチに使われてきたバッテリーの6倍になる。
いわゆる釘刺し試験にも合格しており、やけどするほど高温になったり、爆発する危険もないと担当者。同社は1991年設立のステンレス製造会社で、5年前から本格的にバッテリーの開発を始めた。今年の米家電見本市2015 International CESで初めてJ.Flexを発表し、現在導入先の企業を探しているそうだ。
もし同技術が実装されれば、ウェアラブルデバイスの新たなフォームファクターとなる。くるくる曲がるスマートフォンも実現できるかもしれない。展示会でJ.Flexの現物を見られなかったのが残念だ。
バッテリーで小鳥の折り紙ができる
くしゃくしゃに丸められたバッテリー
ぺらぺらに薄いが、腕時計サイズで2500mAの容量を確保できる
