「いい音」を探る楽曲制作プロジェクト
「音楽は数学だ」 東京女子流の楽曲に秘められた音づくりの理論
2015年01月22日 17時00分更新
東京女子流の音を支える松井サウンドの秘密に迫る!?
東京女子流と言えば松井 寛と称されるほど、独特なアレンジはファンの中で親しまれている。いわゆる「松井サウンド」はどのようにできあがっていくものなのか? 今回のアレンジ作業中にうかがった話の中から、気になる言葉を紹介。
まずは作曲の山田氏による、松井氏のアレンジについての感想。
山田 松井さんに自分の曲をアレンジしていただけるということが、作曲家として単純にとてもうれしかったですね。もともとはテクノ的なニュアンスのビートでデモを出したので、それが16ビートのオシャレなトラックで戻って来たときは、いい意味でその変貌ぶりに興奮しました!
と語る山田氏と松井氏との会話からスタート。大御所から、「愛の鞭」が飛び出すひと幕も。
松井 (山田氏に)ソフトは何を使ってるの?
山田 Digital Performerです。もともと松井さんがお使いのReasonを使ってたんですけど、いまはDigital Performerですね。
松井 僕のはバージョン3だよ(笑)。Reasonだけだとボーカルとかのオーディオデータが扱えないからCubaseも使ってるんだけど、そのバージョンも5。
与田 やっぱりさ、もっとコードを勉強しないとダメだよ。
松井 え、ここは説教するところなの(笑)?
与田 いやいや、若いミュージシャンを鍛えないと。いろんなことにもっとチャレンジしたほうがいいよね。
山田 そうですよね(笑)。
与田 松井くんなんかは、常に音楽的にどう完成されているのかっていうのを目指しているよね。
小島 アレンジの構成というのは、原曲を聴くと頭の中だけでできあがっていくものなんですか?
与田 できあがるというよりも、こうきたらこうっていうパターンがあるんですよ。
松井 そうそうそう、パズルやってる感じに近いですね。
与田 完全に数学ですよね。音楽を感覚的なものだと思っている人は多いけど、実際は数学なんですよ。
松井 そうだね。ジャズとかは特にそう。「ビッグバンド」なんかは完全に数学だと思う。
与田 ドレミファソラシドの音階も数学的に作られた周波数で並んでいるんだよね、確か。
小島 イントロなんかも同様ですか?
松井 たいていはどこか一部を持ってくることが多いですね。Bメロとかサビとか……。
(次ページでは、「打ち込みでも音の生々しさは残っている!?」)
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