言語設定を日本語にできるが
入力の仕方が分からない……
さて電源アダプターをつけ、本体正面下部の電源ボタンを押し起動すると、Linuxのペンギンロゴ→Androidロゴの表示の後、メイン画面が表示される。
マウスとキーボードは、標準のものでなく、PC向けに販売されている市販の製品でも問題なく利用できる。USBメモリーや外付けHDDなどはUSBストレージとして認識されて利用が可能だ。
ただ厄介なのは、日本語入力はもちろん、中国語入力についても、どこのキーを押せば入力モードが変わるか不明なこと。マウスも、左クリックが決定、右クリックが戻るに相当するようだが、それ以外のアプリの配置場所を整理するなどの操作をするとき、いろいろ試行錯誤したができないのだ。
困ったことに、中国のデジタル製品の説明書は概して薄くて説明がほぼなく、この製品においても例外でない。スペック表と無線LANの繋ぎ方くらいしか書いていない。
また、中国語か英語の2つの言語設定しかできないものがほとんどだ。しかしこの製品に関しては、マイナーだからだろうか、輸出前提なのか、マルチリンガルに対応しており、日本語変更が可能だ。
中国の著名メーカーのスマートフォンにおいてはGoogle離れが顕著で、Google PlayやGmailなどを利用するには面倒な手続きを要する。だが本機は他国のようにGoogle PlayやGmailのアプリが標準で入っていて、中国国外ならば小細工なしで問題なく利用できる。
またOfficeソフトとして、中国の金山軟件製(キングソフト)ではなく、「Office to go」がプリインストールされている。
動画視聴メインの中国人には満足できる!?
メニュー画面で多くあるのが、中国の動画サイトのアプリだ。購入したショップでも、動画を流し、店員は動画を見つつ、客を呼び込んでいた。
ゲームを遊ぶことを考えなければ、ニュース記事は見られるし、動画も見られるし、チャットソフトの「QQ」や「微信」など利用できるので、中国人にとっては中国の閉じたインターネットにおけるニーズを満たしそうだ(ただし中国国外での利用だと動画サイトは利用できない)。
日本ではどう使うだろう。これはメインストリームから外れた変わりモノのガジェットだ。
オフィスで導入してもいいが、変わったガジェットを見せびらかしたいという欲求も購入者はあるだろう。非常に軽い製品なので、コンセント付きのカフェでこの製品を広げて、ウェブブラウジングや原稿書きをするのはいかが?
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)。
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