グランプリ受賞から1年を経てリリース
米インテルによる技術コンテスト「Intel Perceptual Computing Challenge 2013」で、およそ2800の応募作品の中からグランプリに選ばれた楽器アプリ「KAGURA」が1月14日にリリースされる。
インテル 戦略事業企画部 ディレクター 亀井慎一郎氏が「『距離を認識する』というインテル RealSense 3Dカメラの特性を直感的に利用できるかたちにしてくれた」と話すこのアプリケーション、どんなものなのだろう?
KAGURAとは?
開発・制作は福岡県福岡市に本社を置く、しくみデザイン。「体を動かすことで音や映像を作り出す新しいものを作りたい」という中村俊介代表取締役の想いから開発に着手し、このほど実現にいたった。
- しくみデザインによるWindows用無料アプリケーション。インテル RealSense 3Dカメラに対応、画面に配置された音源(オブジェクト)をジェスチャーによって鳴らすというもの
- 単音だけでなく、音階が鳴らせる
- カメラから50cmの距離まで手を近付けると、親指を立てることによるテンポアップ・下に向けることによるテンポダウン、手を開いて画面に向けることによる録音などのジェスチャー操作が可能(RealSense 3Dカメラ搭載PCのみ)
- サウンドは和楽器風の「Ohayashi」、ロック調の「Rock Drums」、ジャズ調の「Jazzy Lines」など5種類をプリセットとして搭載。順次新サウンドが追加される予定
以下の動画は中村氏による演奏のデモンストレーション。動画のように意図的にリズムを刻むことも可能だが、自由に動き回っても音楽として成立するように作られている。特にジャズ調の「Jazzy Lines」はディスプレーサイドのバーをなぞるだけでフリージャズのような旋律が生まれ、アプリケーション側で不協和音にならないように音を奏でてくれる。
楽器に触ったことがなくても大丈夫!
新世代の楽器となるか!?
中村氏は「踊ることによる音楽の創作や、声を楽器にしたパフォーマンスなど、新しい文化、新しいかたちのアーティストの誕生に貢献したい」と語る。
KAGURAの機能をフルで利用するには「インテル RealSense 3Dカメラ」搭載したPCが必要だが、演奏自体はウェブカメラでも可能。また今後、エイサー、ASUS、ヒューレット・パッカード、レノボ、富士通、NEC PCなど主要PCメーカーからはRealSesce 3Dカメラ搭載機がリリースされる予定もあり、普及のための土壌は徐々に整いつつあると言える。
楽器の演奏ができなくても、さらに言えば楽器に触れたことすらない幼児でも音楽を奏でることが可能になるKAGURA。今後の展開に期待したい。