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PCからスマホまで大ネタ揃い!? 2015 International CESレポート 第20回

70型で薄さ8mm、コーニングがテレビ用薄型液晶モジュール採用のTV試作品

2015年01月09日 17時00分更新

文● 大河原克行

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SDP製の70型薄型液晶モジュール採用試作品

 米コーニングは、米ラスベガスで開催している2015 International CESの同社ブースにおいて、「Corning Iris Glass」を採用した70型の薄型液晶モジュールの試作品を展示した。

 この技術により、薄さ10mm以下の大画面液晶テレビを設計できるようになり、「液晶テレビをスマートフォンレベルまで大幅に薄型化できる」としている。

 展示したのは、堺ディスプレイプロダクト(SDP)の協力を得て開発したプロトタイプで、約8mmの薄さを実現しているという。

薄さは約8mmを実現。液晶テレビの薄型化に寄与する

プロトタイプは「SDP」のロゴマークとともに展示されていた

 導光板に使用していたプラスチックの代わりに、Corning Iris Glassを採用しているのが特徴。エッジライト方式では、画面の端にLEDを配置し、その光を導光板により反射させ、画面全体に広げる。導光板は、LEDの光を一定方向に伝播させるためのバックライトに不可欠な部品だ。

 同社によると、「プラスチック製の導光板は剛性が不足しており、これを補う追加構造品を組み込む必要があるため、その分重みや厚みが増加していた。さらに、湿気で膨張するため、膨張分を考慮してベゼル部分に幅を取る必要があった。だが、Iris Glassを導光板に採用することで、こうした課題が解決できる」という。

 Iris Glassは、これまでガラス素材で課題となっていた光透過性を改善したガラスを使用した導光板材料で、プラスチックに比べて36倍固い。そのため構造部品の簡素化が可能で、光透過性に優れ、明るい画像を実現できる、さらにプラスチックよりも熱膨張率が90%低く、ベゼル部分の幅を狭めることが可能であり、その結果幅を薄くできるという。

最大2倍の耐傷性を実現した「Gorilla Glass 4」も展示

 一方、スマートフォンやタブレットに採用する「Gorilla Glass 4」も展示した。

「Gorilla Glass 4」は、複数の厚さのラインナップを展示。写真手前側は0.4mm厚

 競合他社のカバーガラスと比較して、最大2倍の耐傷性を実現したGorilla Glass 4は、スマートフォンなどを日常使用する際に、落下によって画面が破損する問題に対応。Gorilla Glassの特長である薄さ、耐久性、光学的透明度はそのままに、耐久性を大幅に改善したという。

 同社では、何百台もの破損したデバイスを検証し、屋外使用時の破損の70%以上が、先端が尖ったものや、鋭利なものとの接触によって生じる傷が原因であることを発見した。さらに、破損したカバーガラスに関する数1000時間におよぶ分析をベースに、新たな落下試験方法を開発。1mの高さから画面を下にしてデバイスを落下させ、サンドペーパーやコンクリートをはじめとする様々な表面と接触させた。この結果、Gorilla Glass 4は80%の確率で破損せず、競合材料となるソーダライムガラスは、ほぼ100%破損したという。

Gorilla Glass 4は、様々な素材の上に1mの高さから落として実験したという

 すでに、いつかのデバイスでこれを採用。CESのコーニングのブースでは、Gorilla Glass 4を採用したAcer「Iconia Tab」、サムスン電子「GALAXY Alpha」を展示していた。

Gorilla Glass 4を採用したAcer「Iconia Tab」

同じくGorilla Glass 4採用のサムスン電子「GALAXY Alpha」

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