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Windows Info 第39回

netshコマンドでWin8のモバイルブロードバンドの情報を得る

2015年01月09日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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コマンドラインからモバイルブロードバンドの
デバイスや接続先の情報にアクセスする

 ここまで2回に渡って紹介してきた(関連記事関連記事)、Windows 8で3GやLTEを扱うためのモバイルブロードバンドネットワーク(MBN)は、netshコマンドからも制御ができる。netshでは、デバイスの情報や接続先の情報などをアクセス可能だ。

 netshは、ネットワーク関連の設定をコマンドライン(コマンドプロンプトウィンドウ)から行なうものだ。netshコマンドには、「コンテキスト」と呼ばれるネットワーク機能に対応するキーワードがあり、これで設定対象を切り替える。

 たとえば、無線LAN関係の設定は「wlan」、モバイルブロードバンドならば「mbn」を使う。各コンテキストでは、netshの標準コマンドとコンテキスト独自のコマンドが利用できる。主にコンテキスト独自のコマンドで各種の設定を行なう。

 コンテキスト独自コマンドは、「サブコマンド」を持ち、これで設定対象を特定する。MBNの場合、下の表のようなコマンド(とサブコマンド)が利用できる。具体的な使い方は、「コマンド サブコマンド」の後スペースを1つ入れて「help」とすれば、コマンドのヘルプが表示される。

コマンド サブコマンド 機能
add profile プロファイルXMLファイルを追加
connect   接続
delete profile プロファイルを削除
disconnect   切断
set profileparameter プロファイルのコストを設定
teacing トレースの開始/終了
show capability MBNデバイスの機能を表示
connection 接続状態の表示
homeprovider ホームプロバイダ(契約事業者)を表示
interfaces インターフェース(MBNデバイス)を列挙
pin 暗証番号情報の表示
pinlist 暗証番号のリストの表示
preferrendproviders 優先プロバイダのリスト
profiles プロファイルの表示
provisionedcontext コンテキスト情報の表示
radio ラジオ状態の表示
readyinfo 準備状況(サブスクライバーIDの表示)
signal 電波状態の表示
smsconfig SMS情報の表示
tracing トレース状態の表示
visibleproviders 表示可能なプロバイダ

 各サブコマンドには、具体的な対象を指定したり、設定値を指定する「パラメーター」が付く。引数は、HELPの「使用法」で示され、必要なパラメーターには簡単な解説が表示される。

各サブコマンドは、後に「HELP」を付けることで、コマンドのヘルプが表示される

 なお、パラメーターは、「パラメーター名="パラメーター"」として指定できる。たとえば、MBNで対象となるMBNデバイスを指定するには「interface= "モバイル ブロードバンド接続"」、「name="au"」などのパラメーターを指定する。なお、複数のパラメーターがあるときには、間にスペース(半角スペース)を置く。

 パラメーターを「使用法」の順番通りに指定する場合には、「パラメーター名=」の部分を省略できる。たとえば、

set profileparameter [name=]<文字列> [[interface=]<文字列>]

のように指定してある場合、以下のどちらでもパラメーター指定が可能だ。

set profileparameter name="au" interface="モバイル ブロードバンド接続"
set profileparameter au モバイル ブロードバンド接続

 なお、netshコマンドは、netshと打ち込んだあと、mbnなどのコンテキストを入力し、そのあとコンテキスト独自コマンドなどを利用する。

netshコマンドは、コマンドプロンプトから単独で起動し、その後mbnなどのコンテキスト切り替えを行なうことで、特定のコンテキストで動作する

 またnetshコマンドは、管理者でなくとも起動することはできるが、値の設定などに制限がある。また、コマンドプロンプトウィンドウで以下のように前コマンドを1行で指定して実行させることも可能だ。

netsh コンテキスト コマンド サブコマンド パラメーター……

 単に、値を確認したい、コマンドを1つだけ実行したいという場合には、この形式を使うと便利だ。

 さて、MBNでは、デバイスの指定にインターフェース名を使うが、これは、「コントロールパネル」→「ネットワークと共有センター」 で「アダプター設定の変更」リンクを使って表示できる「ネットワーク接続」ウィンドウの「名前」に対応している。

 ここには、無線LAN、Bluetooth、VPNやダイヤルアップネットワーク、有線LANなどのネットワークアダプタ(インターフェース)が表示されるが、この中にMBNデバイスであり、netsh mbnコンテキストでいう「interface」が含まれている。ここで名前を変えることで、netsh mbnコンテキストから見える「interface」の名称も変化する。

 netshはコマンドラインであるため、日本語の入力が面倒なことが多い。そのため、「ネットワーク接続」でMBNデバイスの名前をアルファベットのみのものに変更しておくと、netshコマンドが使いやすくなる(もちろんコピー&ペーストを使ってもいいが事前にコマンドプロンプトウィンドウでの設定が必要)。

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