「LIFEBOOK WA1/S」と「LIFEBOOK WU1/S」を徹底比較! 第3回
最新オフィス込みでも10万円未満!
新幹線でも快適に! 「LIFEBOOK UH WU1/S」は軽くて安いお勧めモバイル (2/2)
2015年01月09日 08時00分更新
カスタマイズでモバイル性能を強化
「LIFEBOOK WU1/S」は「富士通WEB MART」限定販売のモデルで、購入時にパーツ構成を選択可能だ。選べるパーツはCPUとメモリー、ストレージの3種類。15.6型スタンダードノートである「LIFEBOOK WA1/S」よりもメニューの数は少ないが、性能やコストパフォーマンスに優れたパーツが充実している。
CPUについては、Celeron 2957UとCore i3-4005Uの2種類が用意されている。それぞれの違いについては、以下の表でご確認いただきたい。
「LIFEBOOK WA1/S」で選択可能なCPUの違い | ||
---|---|---|
Core i3-4005U | Celeron 2957U | |
コア数/スレッド数 | 2/4 | 2/2 |
動作周波数 | 1.7GHz | 1.4GHz |
最大動作周波数 | - | - |
グラフィックス機能 | インテルHDグラフィックス4400 | インテルHDグラフィックス |
性能面では2コア4スレッドで動作するCore i3-4005Uのほうが優秀だが、コスト面ではCeleron 2957Uに軍配が上がる。ちなみにCPUを上位パーツにするよりも、メモリー容量やストレージを変更したほうがWindows 8.1の体感速度は向上するだろう。CPUにCore i3-4005Uを選ぶのは、ほかのパーツを選択してもパワー不足が心配な場合にしたほうがいい。
グラフィックス機能については、CPU内蔵のGPUを利用する。CPUにCore i3-4005Uを選んだ場合はインテルHDグラフィックス4400で、Celeron 2957Uの場合はインテルHDグラフィックスだ。インテルHDグラフィックス4400のほうが高性能だが、どちらも3Dゲームをストレスなくプレーできるほどの実力はない。ゲーム性能については、あまり期待しないほうがよさそうだ。
メモリー容量については、4GBと8GBのメニューが用意されている。基本的には4GBでも問題ないのだが、マシンをより快適に使いたいなら8GBに増設するといい。
カスタマイズのポイントはストレージ選び
「LIFEBOOK WU1/S」のパーツ構成をカスタマイズする上で、もっとも重視したいのがストレージの種類だ。メニューとしては500GBのHDDと500GBのハイブリッドHDD、256GBのSSDが用意されているが、筆者としては大容量で価格の安い500GB HDDかアクセスが高速な256GB SSDをおすすめしたい。
キャッシュとしてフラッシュメモリーを利用するハイブリッドHDDは確かに通常のHDDよりもアクセス速度に優れているのだが、CPUにCeleron 2957Uを選択しているとハイブリッドHDDを利用できない。CPUとストレージを両方変えるくらいなら、CPUはCeleron 2957UのままストレージにSSDを選んだほうが効果が高いというわけだ。
またSSDはHDDよりも消費電力が少なく、さらに衝撃に強いというメリットもある。持ち歩き用のモバイルノートなら、ストレージにSSDを選んだほうが断然有利だ。ただし大容量の写真や動画、各種データファイルを持ち歩くなら、容量の大きいHDDを選ぶ手もある。
カスタマイズメニューではさらに、各種周辺機器やプリインストール可能なソフトを追加できる。なかでも強くおすすめしたいのは、最新版のオフィスである「Office Personal Premium」と「Office Home and Business Premium」だ。「LIFEBOOK WU1/S」を使い続ける限り無償で最新版にアップグレードできる上に、始めの1年間は1TBのオンラインストレージを無料で利用できる。電話の通話が多い人なら、固定電話へのSkype通話が毎月60分間無料になるのもうれしいだろう。ビジネス向けにはPowerPointが含まれる「Office Home and Business Premium」が最適だが、エクセルとワードしか使わないのなら「Office Personal Premium」でも問題はない。
モバイル性能重視でマシンパワーはやや控えめ
続いて「LIFEBOOK WU1/S」のベンチマーク結果をご覧いただこう。スペックについてはもっとも安価なパーツを選んだ「最小構成」であるため、このスコアが最低ラインと考えていただきたい。CPUやメモリー、ストレージを変更すれば、各ベンチマークのスコアやWindows 8.1の体感速度は向上するはずだ。
試用機の主なスペック | |
---|---|
CPU | Celeron 2957U(1.4GHz) |
メモリー | 4GB |
グラフィックス機能 | インテル HD グラフィックス(CPU内蔵) |
ストレージ | 約500GB HDD |
Windows 8.1の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果については、表のような結果となった。グラフィックス関連のスコアが低めだが、Windows 8.1の体感速度にあまり影響はないため、ひとまずは考えなくてもいい。そのほかのスコアについては5.7~5.9と平均的だが、マシンパワーよりもモバイル性能を重視したモデルであることを考えれば納得できる結果だ。
試用機の「Windowsシステム評価ツール」の結果(Windowsエクスペリエンスインデックス) | |
---|---|
CpuScore(プロセッサー) | 5.7 |
MemoryScore(メモリー) | 5.9 |
GraphicsScore(グラフィックス) | 4.8 |
GamingScore(ゲーム用グラフィックス) | 5 |
DiskScore(プライマリハードディスク) | 5.9 |
ストレージのアクセス速度を計測するために「CrystalDiskMark」を試してみたところ、シーケンシャルリード(読み込み速度)で104.1MB/秒という結果となった。HDDとしては標準的な結果だ。CPUの性能を計測する「CINEBENCH」では「CPU」が「1.17pts」と、それなりの結果が出ている。
総合系ベンチマークの「PCMark 8バージョン2」では、日常的な作業の快適さを計測する「Home conventional 3.0」で「1632」、ビジネス利用での快適さを計測する「Work conventional 2.0」で「1971」という結果に。やはりそれほど高くはないスコアだが、スコアの詳細を確認してみると足を引っ張っているのは3Dゲームやビデオチャットなどグラフィック関連のスコアであることがわかる。ウェブ閲覧や文書作成など、外出先でメインとなる作業については比較的高いスコアであり、標準的なビジネス利用であれば問題ないだろう。
FFやドラクエは厳しい
ゲームプレー時の3D描画性能を計測する「3DMark」では、もっとも負荷の軽い「Ice Storm」で「23254」という結果だった。ごく軽めの3Dゲームならなんとかプレーできるが、国内で人気のオンライン3Dゲームをプレーするには少々厳しいと言わざるを得ない。実際のゲームプレーの快適さを計測する「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」と「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.00」でも、それを裏付ける結果が出ている。
ただし、3Dゲームをまったく遊べないわけではない。定番のサンドボックス型ゲーム「マインクラフト」でビデオ設定を軽めにして試してみたところ、一瞬画面表示が乱れる場面はあるものの、クラフトには問題ないレベルだった。とは言えFPSは常時20前後でまれにひと桁になることもあるため、ダンジョン探索のような生存をかけたシビアなプレーは避けたほうが賢明かもしれない。
ワイヤレスマウスをつなぎ、新幹線のなかでマインクラフトをプレーしてみたが、ビデオ設定を軽めにするとFPSは20前後で、なんとかプレーできるレベル。電源プランを「高パフォーマンス」に設定するとバッテリー駆動時間は3時間程度となるが、今回使ったE5系はやぶさでは電源コンセントが使えるので(窓際と壁際のみ)充電しながらのプレーも可能だ。山奥やトンネルでネットが繋がらないときの暇つぶしには最適だった
ちょうどいい性能のマシンを手頃な値段でゲットするなら「LIFEBOOK WU1/S」
持ち歩き向けの「LIFEBOOK WU1/S」は、ベンチマーク結果だけを見るとやや物足りない印象を受けるかもしれない。確かに前回の記事で紹介した「LIFEBOOK WA1/S」のほうが、スコアは上だ。だがモバイルノートではマシンパワーよりも、持ち運びやすさやバッテリー駆動時間などのモバイル性能のほうが重要となる。その点においては、今回のレビューで十分であることがおわかりいただけたはずだ。外出先での作業内容を考えれば、これ以上のパワーはオーバースペックになることもあるだろう。ちょうどいい性能のマシンを手頃な値段で入手できる―――、この点こそが「LIFEBOOK WU1/S」最大の魅力なのだ。
試用機の主なスペック | |
---|---|
製品名 | LIFEBOOK WU1/S |
CPU | Celeron 2957U(1.4GHz) |
チップセット | ― |
メモリー | 4GB(最大8GB) |
ディスプレー | 13.3型ワイド(1366×768ドット)、ノングレア、LEDバックライト |
グラフィックス機能 | インテルHDグラフィックス(CPU内蔵) |
ストレージ | 約500GB HDD |
光学式ドライブ | なし |
通信機能 | 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n)、Bluetooth 4.0+HS |
インターフェース | USB 3.0×2(1ポートは電源オフUSB 充電機能付)、USB 2.0×1、HDMI×1、92万画素ウェブカメラ |
ダイレクト・メモリースロット | SD/SDHC/SDXC対応 |
サウンド機能 | ステレオスピーカー、デジタルステレオマイク、ヘッドホン/ラインイン/ラインアウト兼用端子 |
本体サイズ/重量 | 約幅322×奥行き225×高さ17.5mm/約1.50kg |
バッテリー駆動時間 | 約7.3時間~約7.8時間(JEITA 2.0) |
オフィス | Office Personal Premium |
OS | Windows 8.1 Update(64bit) |
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