速度は……なかなか出るじゃないか!
年末も差し迫った12月27日、いざ、バークレーのT-Mobileショップへ。このキャンペーン目当てに、同じような夫婦連れの客3~4組がT-Mobileへの移行手続きを行なっていました。ここで手続きをすることになりますが、いくつかの準備をしていきました。
まずUncarrier 4.0の「早期解約金負担」には条件があります。それは、今使っている番号をT-Mobileに移すこと、今使っているケータイを下取りに出すこと、そして新たにT-Mobileから端末を買うことの3つです。
番号についてはその方が便利なのでぜひ、というところでしたが、端末の扱いは微妙です。筆者は11月に手に入ったiPhone 6 Plus、妻は2012年に買ったiPhone 5sを使っており、いくら高く買い取ってくれたとしても、T-MobileからSIMフリーモデルを購入すると確実に足が出ます。
ただ、T-MobileのSIMが動作すれば、現役で使っている端末じゃなくても良い、とのことだったので、家で余っていたiPhone 5とMoto Gの2台を下取りに出すことにしました。合計で140ドル分。そしてAlcatelの最も安いAndroidスマートフォンをT-Mobileで購入し、合計160ドル。差し引き20ドルで済みました。御の字でしょう。
日本では、あらかじめMNP番号を取得してキャリアで手続きをすれば新しいキャリアで使えるようになりますが、米国の場合、3~10時間ほど番号が移るのを待たなければなりません。
筆者の番号の場合、手続き後4時間はVerizonの番号として利用でき、4時間を過ぎたあたりでVerizonで通信が止まり、T-MobileのSIMに差し替えて再び同じ番号で使えるようになりました。
速度を試してみましたが、T-Mobileは悪くありません。筆者の部屋では、Verizonは下り30Mbps/上り15Mbpsという結果でしたが、T-Mobileでは下り25Mbps、上りも28Mbpsの速度が出ました。
特にアップロードが速いのがありがたいです。自宅のケーブルテレビ経由のインターネットでは、下りはいつの間にか25Mbpsから60Mbpsに増速されていましたが、上りは6Mbps程度しか出ません。無線の方が有線よりも4倍速いとは、どういうことでしょう……。
固定回線も4Kストリーミングに対応すべく下りを強化しているものと思われます。米国の4K環境については、また別の機会に。
Wi-Fi CallingでWi-Fi経由で通話が可能
さらに音楽ストリーミングが聴き放題
T-MobileがWi-Fiルーターを配布する理由は、もちろんネットワークの弱いところを補う役割を狙うためですが、補えるのはデータだけではありません。
iPhone 6も対応を始めたWi-Fi Callingという機能は、通常の電話番号がかかってきた通話についても、Wi-Fiネットワーク経由で受発信できるようになる機能で、これをONにすると電波表示が「T-Mobile LTE」から「T-Mobile Wi-Fi」に変化します。これで、地下などでもWi-Fiさえ拾えていれば通話ができます。
また、例えば日本にこの電話を持ってきた場合でも、Wi-Fi CallingをONにすれば、アメリカに国際電話ではなく地元への電話として通話ができるようになります。LINEやFacebookメッセンジャーでも通話はできますが、電話番号の通話が可能である点はより汎用性が高く、便利といえるでしょう。
T-Mobileに移ってきて、非常に久しぶりにデータ無制限の世界に帰ってきました。Wi-Fi環境を気にせず、ダウンロードもアップロードも自由にできます。この自由さを感じると、むしろ今まで、以下にデータ量に抑圧されてきたのか、思い知ることになります。月2GBはやはり少なすぎますよね。
またキャンペーン料金だったため意味がなくなってしまいましたが、音楽ストリーミングも聴き放題で、iPhoneに入っていない音楽をSpotifyやiTunes Radioから自由に楽しめるようになりました。
音楽を聴きながら出会うことができるという環境。レコード屋でジャケ買いを楽しんでいた筆者にとって、新しい音楽を知る手段として、早速重宝し始めており、これがどこででも実現できるというのは、とてもうれしい限りです。
ということで、よく晴れた週末の昼下がり、ちょっと足を伸ばして向かった公園で、音楽をストリーミングで聴きながら、Kindleの本をダウンロードして読むことにしたいと思います。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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