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ベニスアップデートでますます変わる「検索順位」指標の意味と役割

2015年01月05日 11時56分更新

記事提供:SEMリサーチ

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年末年始に実家に帰るついでに、各駅停車に乗って、駅に到着するたびに地域系キーワードで検索をして検索順位の変化を確認するという暇つぶし調査をしてきました。年末に確認されたベニスアップデート相当の順位変動を確認するためです。

事前に予想した以上のデータは得られませんでしたので本当に単なる暇つぶしでしたが、一応メモとして残しておきます。

調査範囲は、品川駅から三島駅+αです。途中で飽きてしまい、各駅下車は三島で終わりにしました。わかったことは次の通り。

※ お断り:基本的に駅または駅周辺のカフェ等で、docomo回線または公衆無線LANでインターネットに接続し、現在地が正しく認識されていることを確認したうえで Google 及び Yahoo! JAPAN で検索しています。同じ市町村でも場所によって検索順位が変わることは十分に考えられます。


全く検索結果に影響しないエリアがある

基本的に各駅、市町村にあわせて検索順位の一部が現在地周辺の飲食店や施設に置き換わることを確認しました。ただし、一部のエリアでは、全く影響しない=標準の自然検索結果が表示されるエリアがあることを確認しました。 例) 湯河原、根府川

また、三島駅では、キーワードによって名古屋ばかり、あるいは京都、東京が混ざった検索結果など、標準自然検索結果とは異なるものの、一体どこの位置情報に基づいてローカライズしているのかわからない検索結果も確認しました。


競合施設が多いエリアほど、入れ替わるページ数は増える傾向

当たり前ですが、現在地周辺に検索キーワードに合致する地域情報ページがあるほど、自然検索順位1ページあたり、ローカライズされるリンク数も増える傾向にあります。静岡市では5件の入れ替わり確認しました。

また、JRの「東静岡駅」「静岡駅」、静鉄の「新静岡駅」のような隣同士の駅(徒歩圏内)での検索結果は、それぞれのエリアに特化した(ニッチな)情報ウェブページが存在する場合は検索結果に反映されますが、そうでない場合は上位区域(静岡駅=>静岡エリア)が検索結果に反映されるようです。


都会や田舎と検索精度は関係なかった

過疎化が進んでいるエリアではローカライズの検索精度が悪いのではないかと考えていたのですが、全然関係ありませんでした。私の地元は田舎の部類に入りますが、検索結果は極めて正確でした。地元の人間でなければわからない病院施設や飲食店が検索結果にきちんと反映されてきましたし、存在すら知らなかった地元の地域密着ポータルサイトも検索結果に表示されました。

このローカル判定の精度は、ISPから割り当てられているIPアドレスから Google が検索者の現在地をどれだけ正確に判定しているかに依存しているようです。今回はフレッツ光回線に接続できるエリアでは OCN、InfoSphere、ASAHIネット、ぷららの接続アカウントで試しましたが、検索場所とプロバイダの組み合わせによっては現在地が正しく判定されませんでした。


地域系検索キーワードの検索順位レポートの意味と役割

地域依存性の高いキーワードはベニスアップデート(相当)適用以後、検索ユーザーの現在地によって検索順位が全然違いますので、それらの成果を検索順位という指標のみで追うことはほとんど意味がないということを認識しておく必要があります。あるいは「該当エリアでそのページは何位に表示されているのか」を把握すべきということですが全国の情報を網羅する会社が全国エリアの順位を随時監視することは無理でしょう。

最近の SEO 業界では「キーワードレベルの最適化ではなく、ユーザーのインテントに基づく最適化を」「キーワードに合致させるのではなく、ユーザーの知りたいことに合致させる」ということが繰り返し叫ばれていますが、ベニスアップデートという現在位置に基づく自然検索のローカライズもまた、そういう方向性への流れを加速させる1つの出来事だと言えるでしょう。

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