「日本企業はもっと技術者のコミュニティ活動を支援すべき」「MS以外の技術との交流も」
開催迫る!GoAzure 2015への熱い想いをマイクロソフトに聞いた
2015年01月06日 06時00分更新
日本企業はもっと技術者のコミュニティ活動に“投資”するべき
――ドリューさんは米国のコミュニティ事情にも詳しいと思います。日本のコミュニティ活動について、どんな印象を持っていますか。
ロビンス:日本のコミュニティ活動に参加して驚いたのは、プロフェッショナルコミュニティにおける活動と、企業における業務活動との「距離」ですね。
もちろん米国でも、業務に影響の少ない土曜日や夜に開催されるコミュニティイベントはあります。ただし、知識習得やスキル向上のための活動として、イベントへの参加を「業務の一環」と認める風潮があります。そこは日本との違いを感じます。
伊藤:今回のGoAzureは金曜日の開催なので、お休みを取って参加される方もいると思います。しかし、そこまでの熱意を持っている方にこそ、プロフェッショナルライフ(業務活動)とコミュニティライフとをできるだけ合致させてほしい。それを支援するのも、われわれの役割の1つだと思っています。
日本の企業にも、所属する技術者のコミュニティ参加を支える姿勢を持ってほしいと、切に願っています。土日や夜間の開催など、われわれも参加しやすいイベント形態を模索してはいますが、経営者側もそれを積極的に支援する姿勢が必要ではないでしょうか。
――技術者のコミュニティ活動がなぜ重要なのか、それが企業にどんなメリットをもたらすのか……。何か経営者に響く言葉はないでしょうか。
伊藤:そうですね、順に説明すると――まず、テクノロジーの採用は必ず企業にイノベーションをもたらします。そしてイノベーションは企業競争力の源泉となる。しかし、日本企業のテクノロジー採用は非常に遅れている。なぜなら、自立した技術者が少ないから。
ITの採用を通じたイノベーションを起こすためには「世界で戦える、自立した技術者」が不可欠なんです。そして、そんな技術者が育つための第一歩が、コミュニティへの参加なのだと思います。
技術者って、やはり新しいものにはわくわくするものですよね。コミュニティを通じて技術者が新たな世界に触れ、そこで自ら新しいものを吸収していくのを支援することは、企業にとってすばらしく投資効果の高いことではないでしょうか。将来的には、企業自身のイノベーションにも必ずつながります。
技術者側からだけでなく、企業側からでも「コミュニティに参加してみたら?」と一言かけることで、何かが変わるんじゃないかと思ってるんですけどね。
――コミュニティへの参加を支援することは、技術者の価値を高める「投資」であると。ではドリューさんならば、上司をどう説得しますか。
ロビンス:IT部門の技術者が、たとえば「Azureのイベントがあるので参加したい」と申し出るとします。しかし、その会社ではAzureを使っていない、クラウドすら使っていないかもしれない。そうであっても、上司の方には「うちには関係ないよ」と妨げないでほしいですね。
わたしは.NETの開発者ですが、実はこれまでで一番大きな学びを得たのはRubyのベストプラクティスからだったんです。異なるテクノロジーから得た知識を.NETの開発に生かし、改良することができた。同じように、たとえ自社がクラウドを使っていなくても、Azureからスケールやアーキテクチャといった知識を吸収して、自社ITシステムの改良につながるヒントを持ち帰ることはできるのではないでしょうか。
――自社で採用しているテクノロジーだけでなく、より幅広いテクノロジーに触れて、そこから価値を見いだすと。先ほど伊藤さんが言った「自立したエンジニア」像に近いかも。
ロビンス:そうです。また、プロフェッショナルコミュニティへの参加は、技術スキルだけでなく、キャリアスキルの向上にも影響を与えます。実はわたし自身のキャリアを振り返ってみても、コミュニティへの参加が大きな影響をもたらしているんですよ。
そもそも、わたしがマイクロソフトへ入社したきっかけの1つは、マイクロソフトテクノロジー関連のユーザーグループを運営していたことでした。さらに、今回の日本への赴任も、妻の出身地である北海道のユーザーコミュニティに参加したことがきっかけとなりました。
ですから、わたしはコミュニティの持つ力を強く信じています。技術だけでなく、人と人とをつなげる力。もちろんそれは、働く会社にも利益をもたらします。
エンタープライズでもスタートアップでも、企業の皆さんにはまずプロフェッショナルコミュニティの価値に気づいてほしい。マイクロソフトがコミュニティを支援することで、それに気づいていただくきっかけになればと思います。
――GoAzureもそのきっかけになるといいですね。では最後に、あらためて「GoAzure 2015」開催に向けたメッセージを一言で!お願いします。
ロビンス:「参加しないと“モッタイナイ”よ!」
伊藤:「2015年は、GoAzureでキックスタートしましょう!」
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