このページの本文へ

BlackBerry Classic始動。ヒットするかどうか結論はまだ先だ。

2014年12月30日 11時00分更新

文● Adriana Lee via ReadWrite

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

どこか見覚えのあるデザイン?

MTI2NzQxNjg3MjcwNjg4Nzc4

BlackBerryはついに、新しくもなじみ深いスマートフォンを発表した。キーボード搭載のBlackBerry Classicだ。

1ヶ月前にプレオーダーが始まっていたこの新機種は、近年ではかなり珍しいものを採用している。物理キーボードだ。BlackBerryはハードウェアにQWERTYキーボードを搭載した端末をグレードアップさせた。BlackBerryがキーボードを捨ててタッチパネルへと移行したとき、同社のビジネスは間違いなく悪くなるという見方もあった。

Classicはキーボードとタッチパネルの両方を備えている。タッチパネルは最近のヒット機種であるBold 9900よりも実質的に大きなサイズだ。物理ナビゲーションキーとトラックパッドも付属している。過去にBlackBerry愛用していた人にとってはノスタルジーいっぱいの機種となるはずだ。

だが、同社の望み通り大ヒット商品となるかどうかはまた別の問題である。

黒字を取り戻すための原点回帰

MTI2NzQxNzU3MzMyMzUyOTk0

3列キーボードが湾曲していたBlackBerry Passportとは異なり、キーボードのレイアウトに変わった点はない。Classicのキーボード、タッチパネル、ショートカットキーはユーザーが「急な連絡」をスムーズに処理できるようデザインされてる。キーを見なくても複数のメールを選択したり、サクッと返信したりすることも可能だ。

以前のBlackBerryと同じく、キーには接触感があり、押したときにはっきりわかる仕様となっている。タッチスクリーンを使用しているユーザーにとっても心地よいはずだ。片手での操作性を重視する人は、この機種がPassportよりもだいぶ小さく、片手での操作を前提としてデザインされていることに注目してほしい。そう、2011年に発売された旧タイプBold 9900に似ているのだ。

MTI2NzQxODE0NTA5MDk0OTIy

Classicのその他ハード面でのスペックも、Bold 9900を継承しているようだ。同端末はQualcomm製デュアルコアプロセッサ、2GBのRAM、1230 mAhのバッテリー、3.5インチのタッチスクリーン液晶(解像度は720×720ピクセル、294 dpi)を搭載している。

BlackBerryは、小型画面への批判に全面的に対峙する構えで、ディスプレイがBoldよりも40%大きくなったことを強調している。製品・ブランドマーケティングの責任者であるジェフ・ガドウェイは「iPhoneでキーボードを立ち上げ、Classicと比較すると、Classicのディスプレイとの差は4%以内です」と主張している。彼がどのiPhoneを指しているのか分からないが、比較対象としたiPhoneとは、巨大なiPhone 6 Plusではないのは確実だ。

バッテリー寿命については、その容量にこれといった点は見当たらないが、ソフトウェアの最適化が行われている。その結果、バッテリーの駆動時間は最長22時間となっている。小さな画面もバッテリーを維持するのに一役買っているに違いない。

モバイルゲーマーにとって、画面サイズの小ささと、可もなく不可もないスペックはがっかりするものかもしれない。だが、同社がClassicのユーザーとして想定した生産性を重視する層にとっては十分満足できるものだ。メッセージ処理に有能な助っ人が必要なときは、この端末は必ずや任務を遂行してくれるだろう。

旧製品よりもいい点は?

MTI2NzQxNzA2MzI5NTY1ODI3

BlackBerryは多くのファンがいたBoldとの違いをダイレクトに打ち出している。同社はClassicが似たようなデザインでありながらも、大きく改善されたことを強調している。改善点は以下のとおりだ。

  • ブラウザのスピードが3倍高速化
  • ディスプレイが60%拡大
  • バッテリーの持ちが50%向上

Classicは8メガピクセルの背面カメラと、前面に8メガピクセルの自画撮り用カメラ、そしてBlackBerry OSの最新版なども搭載している。

バージョン10.3.1でセキュリティが強化されたのは顧客にとって喜ばしいことだろう。BlackBerry Hub、BlackBerry Assistant、BlackBerry Blendといった効率化ツールも備わっており、特にBlendではPCを用いてユーザーがClassicの作業を管理できる点が魅力的だ。

新旧BlackBerryの特筆すべき変更点とは、おそらくAndroidアプリだ。Classicでは2つのアプリストアが利用でき、BlackBerry Worldと同様にAmazonのAndroidアプリストアからもアプリを購入できる。

この端末が素晴らしいのは間違いなく、実際かなり実用的だ。スマートフォンユーザーはこのところBlackBerryに見向きもしなかったが、彼らにもアピールできる可能性がある。物理キーボードのファンや、ファブレット嫌いで片手操作を重視する人、長持ちする端末が必要な人など、BlackBerryのユーザーとなり得る人々がいるのだ。そして今、その願いをかなえる端末が復活した。これはここ数年でBlackBerryがとった最良の戦略と言えそうだ。

BlackBerry Classicは449ドル(SIMフリー)にて、小売店やShopBlackBerry.comのオンラインストア、Amazonなど、全世界で入手可能。詳しくはオフィシャル製品ページにて。

画像提供(BlackBerry’s press conference in New Yorkより):Adriana Lee

Adriana Lee
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中