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飯田橋クラウドクラブ(略称:イイクラ) 第5回

ナデラCEO就任以降のマイクロソフトの変化とは?

王子とパクえ、「開発者のマイクロソフトが戻ってきた」を考えるの巻

2015年01月08日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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Azureだけこの1年でめちゃくちゃ色を付け始めている?

TECH大谷:最近は、クラウドも上位のレイヤーでの勝負になっていますよね。

デプロイ王子:先日、福岡のWebサイト制作屋さんに行った時に、Azure WebSiteを勧めたのです。Azure WebSiteってレンタルサーバーに近いんですけど、有料課金で専有モードにしたら、月額6000円くらいでレンタルサーバーの仕組みそのものが自分のものになるんです。つまり、CMSの異なったお客様サイトをいくつでも立ち上げられる。でも、こんな便利なモノがあるの誰も知らないって言われました。

MB得上:データ屋の私から見ると、Azureだけこの1年でめちゃくちゃ色を付け始めている。ML(Machine Learning)出てきたし、データ系のサービスが充実している。2年前にAWS CTOのヴァーナーが言っていたデータドリブンより、はるかにいいデータドリブンなんです。私が今、Azureに興味持っているのもそこ。特にMLはめちゃくちゃいい。

デプロイ王子:MLはまじでやばい。じゃんけん3回学習させたら、あと10回勝てないと思う(笑)。Kinect使った時のワクワク感に近い。

パクえ先生:私はUbuntu使いだけど、Azureだけはリリース日でソートできるし、Ubuntuも最新版のサポート一番早いんです。本当にさあ、アピール下手だよね。

MB得上:操作性という点で言うと、AzureだけOperaで微妙に動かないんですが……。

パクえ先生:バージョンアップすると、Operaで動かないってやつが必ず1人か2人出てくるけど、お前か!!この人、Operaで動くか、毎回試しているんですよ。

MB得上:「試している」んじゃないです。「日常的に使用している」んです(笑)。

開発者にフォーカスしていたマイクロソフトが帰ってきた?

TECH大谷:でもオープンソースの界隈のマイクロソフトに対する拒否感ってまだ強い感じがします。

MB得上:私もマイクロソフトに注目し出したのも、半年前ですからね。

パクえ先生:過去、ライセンスがらみのビジネスで痛い目を見た人が根に持っている感じはありますよね。そういう人はプレスリリースとかをとても冷めた目で読むでしょし、概して「吉田サンって、Surfaceなんですかあ」って突っ込む(笑)。

デプロイ王子:私がMac使ってると「へえー、Macなんですか」って言われる。逆にMac使ってないと、デザイナーの仲間に入れないとか変な文化あるからね。でも、正直ツールなんてなんでもいい。どのプラットフォームもきちんと使って、お客様にいい物を提供できるというのが大事。

TECH大谷:今のマイクロソフトをちゃんと知るべきだと。

デプロイ王子:スラッシュドットとか見ると、「MSは節操がない」「MSがオープンソースにすり寄っている」といった意見が散見されるのですが、私の感覚はやや違っていて、「広くあまねくいろんなものを開発者が使えるようにマイクロソフトが立ち直っている」と考えてますね。デベロッパーを絞るんじゃなく、なにを使っても開発できるようにしようとしている。

パクえ先生:もともと開発者の会社だしね。

デプロイ王子:以前、マイクロソフトの人から「フランスではDebianが多く使われているのだけど、これAzureに乗らないかなあ?」と相談を受けたこともありました。本当、こんな話をする日が来ると思わなかった。最近では各ディストリビューションのリポジトリをAzureで無償提供できないかという議論になった。

パクえ先生:SoftLayer(IBM)とか、中でリポジトリ持ってるからアップデートも速いんだよね。

デプロイ王子:そういう小さなところを、今までのマイクロソフトは拾いきれなかった。図体がでかすぎたし、そもそも知識がなかったと思うんです。でも、今回の.NETオープンソース化は、コミュニティや開発者の要望から実現したと思う。当時は嫌いだったけど、開発者にフォーカスしていた時期のマイクロソフトが戻ってきたなあと。

パクえ先生:実際、その言い回しする人、最近多いよね。1980年代後半から1990年代の頃に戻ったって。

(次ページ、オープンソースがエンタープライズに進んでいる)


 

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