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スマホで始める「音楽アプリ部」 第65回

80年代の名機をアプリにした「iProphet」

ジョイスティックが音を決める! シンセ好き熱狂のiPadアプリ

2014年12月27日 12時00分更新

文● 藤村亮

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ジョイスティックが音の方向性を左右する

 メイン画面の中でひときわ異彩を放つ「MIXER」コントロールがiProphetの音作りのポイントで、ジョイスティックを任意の方向に倒すことでA~DのOSCに設定された波形の音色をリアルタイムに混ぜ合わせることができます。

赤枠で囲った部分がMIXERコントロール。80年代のシンセにはよくあったレバー式のコントローラーをアプリで再現。マニア泣かせな演出としてだけでなく、実用性も充分です

 微妙に異なる設定のOSCをコントロールする玄人的な使い方も、各OSCを極端な設定にした飛び道具的な使い方もできて、非常に面白い機能だと思います。

 MIXERコントロールの真下にある「ENV TIME」も音のクセづけに使えるポイントで、「Edit」スイッチをタップすると、専用の操作画面である「Vector」画面に切り替わります。

メイン画面上部のメニューにあるVectorスイッチでもこの画面に切り替わります

 Vector画面には左側にOSCとジョイスティックコントローラーがまとめられたOSCS、右側にENVELOPE MIXERが配置されています。ENVELOPE MIXERでは0~4のポイントを配置し、鍵盤を長く押さえた時の音色の変化の流れを設定できます。

 画面右端のTime1~4ではそれぞれ0から1へ、1から2へなど、ポイントを移行するスピードを0~99msの範囲で調整できます。メイン画面のENV TIMEの1~4のツマミでもこの項目のコントロールが可能です。

 RepeatやLoopの設定と組み合わせると、より有機的な音のウネリを生み出すことができ、Pad系の音色やLead系の音色などのサステインが大事な音色では特に効果的に使える機能です。また、ジョイスティックの効果も視覚的によりわかりやすくなるので、実際に演奏しながらグリグリ動かしたい場合にはVector画面で操作するのも良いと思います。

フィルターは最大160秒間かけられる

 メイン画面に戻って、画面右側の項目を見てみます。「FILTER」では4種類のフィルターパターンから1種を選択し、特定の帯域を強調した音作りができます。「FILTER ENV」でフィルターの動き方を設定でき、エンベロープの表示窓をタップすると拡大画面が表示されます。

 STAGE0~4のポイントを配置し、フィルターの開閉タイミングを設定していきます。各STAGEは最長40000ms(=40秒)の単位まで伸ばして設定できるので、実用性は別として「鍵盤のアタックから160秒間サステインを伸ばし切って初めて、最初から最後までフィルターの動きが完了する」音色というのも作れます。

 一般的な音作りではそこまで時間のかかるフィルタリングは必要ないと思いますが、シュルレアリスティックな現代音楽などでは使い道があるかもしれません。

FILTERモードはHPF、LPF、BPF、BRFの4種類です

 「AMP ENV」はいわゆるADSRコントロールと同じようなイメージでSTAGE0~4を設定することができます。実際はAMP ENVで設定したサステインの尺の中で収まるようにFILTER ENVを設定すると良いでしょう。

(次ページでは、「EDMを作る際も存在感を示せるアプリ」)

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