スペインのBQからは来年2月に登場?
ではもう一方のBQはどうか。こちらも11月に新製品を発表したが、それはAndroidスマートフォン。しかし、主力の「Aquaris E4.5」のUbuntu版を「2015年2月の第2週」に発売開始する、とOMG! UBUNTU!は報じている。フランスのAndroidメディアPhonAndroidも、Ubuntuを搭載したスマートフォンを2月に発売するという情報をBQから得たという(関連リンク)。
このAquaris E4.5だが、4.5型qHDのIPS液晶を搭載、CPUは最大1.3GHz動作のMediaTekのクアッドコアARM Cortex A7、RAMは1GB、ストレージは8GB、カメラは1080p対応8メガピクセルと5メガピクセルカメラを備える。ネットワークはHSPA+。デュアルSIM、着せ替え可能なカバーなど若者向けの位置づけといえ、価格も159.9ユーロ。
Ubuntuが後発であることを考えると、このスペックと価格が市場にどのようにアピールするのかはわからない。なお、Canonicalは1年前の夏にクラウドファウンディングプロジェクト「Ubuntu Edge」を立ち上げたが、そのときはLTE対応で、2.4GHzのクアッドコアCPU、RAM4GB、ストレージは128GBなど当時としてもハイスペックだった。
ではでは、Tizenはどうなっている?
Tizenについては、Samsungの意図がわかりにくい。スマートウォッチのOSとして採用した後、スマートフォンとしては6月に「Samsung Z」を発表、ロシアで発売するとした。しかしこれが延期し、続報がない。そもそもこの発表はなぜロシアなのかと疑問が残るものだった(最近になって、インドで来年1月に「Samsung Z1」発売という報道がある)。
Samsungは11月、サンフランシスコで開発者向け会議を開催したが、ここでは直前に正式版となったスマートTV向けのTizen SDKをプッシュしたようだ。
2013年から2年、4種類の新しいOSを振り返ると、MozillaとJollaが計画通りに進めて端末を登場させたということになる。では2015年はどうなるのか。このままAndroidとiOSの独占は変わらないのか、それともWindows Phone、BlackBerryを含めそれ以外のOSが波を起こすことができるのか。
筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

この連載の記事
- 第265回 最後まで中国への強硬姿勢示すトランプ大統領、今度はAlipayなどの中国製アプリに禁止令
- 第264回 ファーウェイがいよいよ独自OS「Harmony OS」をスマートフォンへ モバイル版ベータを公開
- 第263回 巣篭もりの恩恵受けるスマートウォッチとウェアラブル、ここでもアップルが首位独走
- 第262回 ファーウェイが低価格端末のHonorを売却 部品やソフト調達はどうなるのか?
- 第261回 創業10周年のシャオミがついにスマホ世界シェアトップ3入り
- 第260回 ファーウェイのシェアがついに厳しい状況に!? Honorブランドの売却報道も
- 第259回 ドコモ完全子会社で揺れるモバイル業界、英国とフランスのキャリアの歴史を見る
- 第258回 苦境のファーウェイ、独自OS「HarmonyOS 2」搭載スマホは2021年末に登場へ
- 第257回 世界のスマホ販売でのコロナ禍の打撃は予想より小さいか? マイナス幅は10%前後
- 第256回 消えるかと思われたBlackBerryスマホが再起動 新メーカーは米国企業である点をアピールか?
- 第255回 サムスン「Galaxy Note20」に感じるちょっとした違和感
- この連載の一覧へ