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アスキースマホ総研 第43回

格安SIMや格安スマホって何? スマホ総研がやさしく解説!

2014年12月22日 11時00分更新

文● アスキースマホ総研

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格安SIMで使えるスマホって一体どれなの?

ドロイドさんは格安SIMも含めて、いろいろなSIMでテストできるようにSIMフリー版のiPhone 6 Plusを購入した

カリー 格安SIMのオトクさは段々わかってきたんですけど、この小さなSIMカードだけもらっても、俺にはどのスマホで使えるのかがよくわからないです。SIMロックとかSIMフリーとかの言葉くらいは知っているのですが。

スピーディー 日本国内だと、通常ドコモが販売している端末ならドコモのSIM、auならauのSIMしか動作しないように、いわゆる「SIMロック」がかかっているのが一般的。ドコモは3240円を払うとSIMロックを外せるし、総務省はそれを義務化しようとしているけどね。それとは別にキャリアとは関係なく売られていて、どのキャリアのSIMも使える、SIMフリーの端末もある。今年はアップルがiPhone 6のSIMフリー版を同時発売したのが話題になったよね。

ドロイド ただし、キャリアごとに利用している電波の周波数が異なるので、端末側もそれにマッチしている必要がある。たとえば、SIMフリー版iPhone 6は国内で使われている主要な周波数は網羅しているけど。

カリー そーなのかー。じゃあ格安SIMを使うには、“SIMフリー”というスマホを買わないといけないの?

ドロイド 実は必ずしもそうじゃないのよ。ドコモMVNOのSIMカード自体はドコモが発行したもの。au MVNOでも同じなので、ドコモMVNOならドコモ端末、au MVNOならau端末では基本的に利用できる。

IIJのプリペイドSIMのパッケージに入っているのはドコモのロゴ入りSIM。これは他のMVNOのサービスでも同じだ

カリー じゃあ、たとえば昔使っていた古いドコモのスマホは格安SIMで使えるってこと?

ドロイド そうだよ。ただau MVNOのSIMの場合、iOS 8では非対応だったり、LTEスマホじゃないといけなかったりとか若干組み合わせに制限はあるけど。

スピーディー だから、中古品やネットオークションが苦にならないタイプなら、ドコモやauの中古スマホを安く入手して、格安SIMと組み合わせるのもいいかも。ただ、ドコモSIMとドコモ端末の組み合わせだとテザリングができない問題とかもあるんだけど……。

ネットオークションであれば、1年ほど前のまだまだ使える中古スマホを比較的手頃な価格で入手できるが、専門用語なども飛び交っており、初心者にはやや敷居が高い

カリー うーん、なんだか話が複雑になってきた……。どれを買えばいいか、少し自信が無くなってきた。

マザーボードやタブレットなどで日本でもおなじみのASUSがリリースしたSIMフリースマホ「ZenFone 5」

スピーディー そういう人も多いので、さっきも言ったようにSIMフリーのスマホを単体で販売したり、MVNOがSIMとスマホをセット販売するケースが増えてきた。たとえばSIMフリーのスマホで今人気なのが、ASUSの「ZenFone 5」。3万円弱でLTEも使えるし、性能もなかなか。世界的なヒット商品だよ。MVNOのサービスでセット販売されるケースも多い。

カリー 年に何回かは海外取材も行くので、現地のプリペイドSIMを買うのがオトクだとよく周囲に言われるですが、SIMフリーだとそれも可能というワケですね。

ドロイド もちろん、そういうメリットもある。スペック的には主要キャリアが売っている高性能なスマホには若干見劣りするんだけど、普通に使う分には十分。海外メーカーの端末だと、おサイフケータイとか防水とかはあまり対応していないけどね。注意してほしいのがさっきも言った対応周波数。

ファーウェイ「Ascend Mate7」の対応周波数。SIMフリースマホの中でもハイスペックな1台だけに対応周波数は多いが、この中でドコモMVNOのSIMで使えるのは2.1GHz(B1)、1.8GHz(B3)、800MHz(B19)の3つ。これはドコモ版iPhone 6と同じなので、ほぼ全国で問題なく使える

スピーディー 最近のSIMフリーのスマホは日本で使うことを考えて、ドコモの3つの周波数に対応していることが多くなっている。auはLTEを全国展開している周波数が国内専用なこともあって、基本的にはau端末か、au MVNO向けに開発された端末を使うことになる。

前述のau MVNO「UQ mobile」では、専用に開発されたスマホが提供されている。写真はLG製の「G3 Beat」

ドロイド それからSIMカードのサイズにも注意が必要。小さい順からnanoSIM、microSIM、標準と3種類ある。一応“小は大を兼ねる”仕組みで、アダプターを使うことで流用できるんだけど、装着時にミスしてずれたりすると、端末側の接点のツメを壊してしまうことがある。実は私も失敗したことがあって個人的にはオススメしない。

小さい順にnanoSIM、microSIM、標準サイズの順。iPhoneで一般的なnanoSIMはアダプターを使うことで、microSIM対応のスマホでも使えるが、装着時にアダプターがずれたりすると、スマホを壊してしまう可能性もある

カリー 俺はやっぱりセット販売の端末がよさそうだなあ。その組み合わせだと確実に使えるんだから。

スピーディー 格安SIM向けに用意されている端末は比較的安価なものが多いから、それでも十分オトクだしね。


(次ページでは、「結局、格安SIMってどんな人に向いている?」)

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