12月17日、EMCジャパンはエンタープライズ向けのハイブリッドクラウド構築を容易にする「EMC Enterprise Hybrid Cloud」を発表した。統合化されたインフラのみならず、テストや運用ワークフロー、カスタマーサポートなどをEMC自体が提供することで、迅速な導入を支援する。
導入に必要な製品やサービスをまとめて提供
EMC Enterprise Hybrid Cloud(EHC)は、プライベートクラウドとパブリッククラウドを連携したハイブリッドクラウドの構築を容易にするソリューション。EMCのストレージ、VMwareやPivotalのソフトウェアを適切に組み合わせたSoftware-Definedされたインフラをベースに、運用管理やオーケストレーションのワークフロー、サービスのテンプレートなどを組み合わせる。

EMC Enterprise Hybrid Cloud(EHC)のサービス概要
また、EMC自体がデザインやアーキテクチャの設計、インプリメンテーション、最適化、運用支援などのサービスを提供。ユーザーやパートナーへの出荷時に最適な構成と設定を済ませた状態で提供されるVBlockやVSPEXにも対応。これにより、短期間でのシステム導入・展開が実現されるという。さらにEMC Enterprise Hybrid Cloudとして認定したシステムに関しては、EMCのサポートセンターがワンストップでサポートを提供するという。

エンタープライズ向けにエンジニアリングされたソリューション
今回提供されるのは、EMCやVMware、Pivotalなどの製品をパッケージ化した「Federation SDDC Edition」で、2015年中に「Microsoft Edition」と「OpenStack Edition」も提供される予定となっている。
わずか4週間で導入まで進む
発表会に登壇したEMCジャパンの飯塚力哉氏は、ビジネスにおいてはなにより「迅速性(アジリティ)」が求められると強調。また、日本ではプライベートクラウドが浸透しつつある状況だが、今後はハイブリッドクラウドの普及とともに、適材適所でプライベートクラウド、パブリッククラウドを選ぶ必要があると説明した。

EMCジャパン 執行役員 システムズ・エンジニアリング本部長 飯塚力哉氏
これに対して、今回発表されたEMC Enterprise Hybrid Cloudを使えば、シンプルで自動化されたリソースオンデマンドの環境を迅速に構築できるという。こうしたハイブリッドクラウドのインフラ上にPivotalベースのPaaS環境やAvamarのバックアップ、DRソリューションのRecoverPointやVPLEXなどをモジュールとして追加し、ユーザー独自の基盤を構築できるという。
「やはりテンプレートやワークフローがあるのが大きい。スピーディで、属人的なスキルに寄らないで済む」(飯塚氏)とのことで、半年~3ヶ月かかるクラウドインフラをわずか4週間導入できるとアピール。これにより、ハイブリッドクラウドへの移行や最適化などの支援も、今後拡充するという。
