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業界人の《ことば》から 第122回

ソニー、テレビの差別化のカギは、Android搭載でいいのか?

2014年12月17日 09時00分更新

文● 大河原克行

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分社化はひとつの転機になった

 その点でも、2014年7月から分社化してスタートしたソニービジュアルプロダクツは、同社が、テレビ事業の黒字化に向けた打ち出した最後の一手であることがわかるだろう。

 「分社化は、事業責任と権限をさらに明確化し、市場の変化に対する柔軟な意思決定と、実行スピードのさらなる向上を目的にしたもの。テレビ事業の中期ゴールは安定的収益基盤の確立にある」とし、「2014年度の黒字化は、テレビ事業存続のための入場券」と、まさに不退転の決意で、黒字化に取り組む姿勢をみせている。その強い意思は、すでに数字につながっている。

差異化と利益の出る構造を

 ソニーのテレビ事業は、2014年度第1四半期、第2四半期と連続して黒字を達成した。ソニーのテレビ事業が、2四半期連続の黒字化するのは、2003年度第3、4四半期以来、10年半ぶりのことだ。通期黒字化に向けた道を着実に歩んでいるのは間違いない。

 今村社長は、この数字に自信をみせながらも、「テレビ事業の中期的目標は、売り上げを追うことではなく、シェアを追うことでもない。安定的な事業基盤を確立することだ。売り上げが2~3割下がっても、利益の出る事業構造を目指す」とする。

 まずは小さくしゃがんで、次に大きくジャンプできるだけの弾みをつけることが先決だと考えている。

 そして、「安定的な事業基盤の確立に向けて、基本性能の追求による商品の差異化、選択と資源の集中による固定費削減に取り組む」と、中期的な方針を示す。

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