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クレジットカード決済手数料、ついに0%へ PayPal激怒必至の決済ベンチャー「SPIKE」、登録5万件あっさり突破

2014年12月16日 19時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

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 PayPal、Square──決済サービス大手は、憎たらしい新参者を叩きつぶす方法を考えているに違いない。決済手数料0%という破壊的なサービスが飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長しているのだ。

 メタップスが運営する、事業者向けの決済サービス「SPIKE」だ。初期費用・月額費用ともに基本無料で使えるサービスで、クレジットカード決済手数料も基本無料。同社は15日、4月のサービス開始から8ヵ月で登録事業者が5万件を突破したと発表した。11月から12月までの1ヵ月だけで1万件ほど増加したという。

 他社の決済手数料は通常2~3%。一見ありえない事業モデルは、基本無料・有料会員制度ありのフリーミアム型で成立させた。無料で使う場合は月100万円までの決済上限があるが、月額3000円を支払えば月1000万円まで上限が上がる。上限を超えた場合は2.5%+30円の決済手数料が必要になる。

 同社によれば、登録事業者の売上規模が年商数百万円~数千万円から数億円規模へと徐々に上がってきているそうだ。登録者としては小売専業、分野としてはアパレルが目立っているという。現在のペースで推移すれば「来年の早い段階で」(同社)10万件を達成できるのではないかと話している。

 SPIKE単独ではまだ赤字だが、同社では人工知能を使ったスマホアプリの分析事業を主幹事業として抱えており、本業とのシナジーも計画にある。今後、たとえば人工知能を使った不正検知や売上予測などオンラインショップ運営者が使える分析ツールを展開するなど、分析市場をアプリからECへと広めていく考えだ。

 なおSPIKE運営元は同社のシンガポール拠点。同社では世界中どこでもサービスを提供したいという思想を持っており、日本を本拠地として世界8拠点で事業を展開している。SPIKEも現在は北米・日本でサービスを展開しているが、次は英国拠点から欧州への展開を目指す構えとのこと。


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