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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第283回

スーパーコンピューターの系譜 CRAY-1と同じ性能を目指したParagon

2014年12月15日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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Paragonに切り替わった
Touchstone Sigma

 Touchstone Deltaに続き本来の計画ではTouchstone Sigmaが開発される予定だったが、これは最終的にIntel Paragonという製品に切り替わった。

 まずノードそのものがはるかに重厚になった。下の画像が各ノードの構成だが、アプリケーションプロセッサーとしては50MHz駆動のi860XPが搭載され、これ以外にメッセージプロセッサーとしてもi860XPが利用される。

Touchstone Sigmaの各ノード構成。これはSUPERCOMPUTER 93という学会で発表された“Intel Paragon XP/S - Architecture and Software Environment”という論文からの抜粋

 実際のボードはというと、初期は1枚の基板にアプリケーションプロセッサーとメッセージプロセッサーが1つづつ搭載されたGP16というものが利用された。

GP16。画像はWikimedia Commonsより(http://en.wikipedia.org/wiki/File:Paragon_XP-E_-_GP16_top.jpg)

 後で1枚の基板に2つのアプリケーションプロセッサーと1つのコミュニケーションプロセッサーを搭載したMP16(関連リンク)というものに切り替わっている。

 Mesh Networkの構成そのものは変わらないが(Photo05)、MRCはiMRCになっている。なぜかParagon Mesh Routing Chipの略がiMRCらしいが、Paragonがどうしてiになったのかは不明だ。

Touchstone SigmaのMesh Network構成。出典は先の画像の論文と同じ

 Touchstone DeltaのMRCとの違いは、MRCが8bit接続だったのに対し、iMRCは16bit接続になっており、より高速化されている。またI/O用のノードはi386からi960になった。ノード数そのものは、コンピュートノードが最大2048ノードとなっており、後でGP16をMP16に入れ替えることでノード数は同じながらプロセッサー数は最大4096に増強された。

 1993年に出荷された最初のモデルはハイエンドのParagon XP/Sで、1994年6月のTOP500では、3680プロセッサーを利用して143.40GFLOPSを叩き出し、TOP500の1位に輝いている(関連リンク)。

Paragon XP/S。画像はComputer History Musiumより

 また翌1994年には、廉価版として32ノードに絞ったシングルキャビネットのParagon XP/Eも出荷開始された。

 もっとも商業的にはこのParagonは大失敗として良いと思う。要するにほとんど売れなかったのだ。ただこれで諦めないのがインテルらしいところで、これを発展させてASCI Redにつなげてゆくが、これは次々回に解説したい。年内最後の更新となる次回はnCUBEを取り上げる。

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