注目スタートアップのビジネスモデルを分かりやすく紹介。AISSYは「うま味」を分析できる味覚センサーを、飲食メーカーの商品プロモーションに活用。「日本の味覚」を世界に輸出する。
日本の「和食」はユネスコ無形文化遺産にも登録された 写真:iPark3
新商品が本当に「おいしい」かどうか、データとして分析できる。
AISSY(アイシー)は味覚センサーを商売道具にする技術ベンチャーだ。慶応義塾大学が開発した味覚センサー「レオ」の特許が同社の強み。塩味・甘味・酸味・苦味、そして「うま味」の5種類を測定。飲食メーカーや商社と商品の共同開発、マーケティングにあたっている。
大手飲料メーカーと開発した炭酸飲料は、数億本の売上を記録した。「国産よりこれだけ甘い」と数字をキャッチコピーにして見せて、外国産豚肉の売上を伸ばした例もある。
従来の食品センサー企業が、カロリーなど食品の成分を計測するセンサーを1000万円単位で売っていたのに対し、AISSYは数十万円〜数百万円単位と比較的安価に発注できるのが特徴。
同社代表は「味博士」こと鈴木隆一社長。産業用の食品センサー市場は数億円規模と小粒だが、食品プロモーションを狙えば数兆円規模の市場に参画できる。大企業のみならず中小企業も対象とした味覚分析プロモーションを基盤事業として成長させていきたいという。
いまは国内をメインに展開しているが、将来は世界に狙いを定めている。「うま味」の概念を世界に広めたのは日本だ。戦後、コーヒーを初めとした欧米の食文化が日本に根づいたように、「うま味」技術で海外に打って出たいと鈴木代表は息巻いていた。
「日本人の味覚は世界一。味覚を輸出するという発想が重要」
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