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業界人の《ことば》から 第121回

たった36時間でスマホアプリのデザイン決定、クラウドソースの底力

2014年12月09日 09時00分更新

文● 大河原克行

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 ここでは、最低限の機能を搭載したMVP(Minimum Viable Product)としてのアプリ開発に着手。SWIFTを使用して、topcoderコミュニティの技術者に新たなコンテストを実施した。ここでは4000ドルを賞金として用意。成果物の提出までを5日間、その後の7日間で成果物を最終化する作業行うというものだ。ここでも応募された成果物のなかから、優秀作品を選出。それをもとに、アピリオの社内システムと連携する作業を、アピリオ社内のエンジニアが行い、プロトタイプを完成させることができた。

 「期間にすれば約3週間。SWIFTに精通した技術者は、アピリオの日本法人の社内には一人もいなかったが、それでもtopcoderの技術者の能力を活用することで、短期間で開発することができた」とする。

 実は、topcoderでは、SWIFTに関する技術者が多いことでも知られる。SWIFTが発表されてからわずか5週間後には、topcoderコミュニティのなかに、3500人のSWIFT技術者が参加。新たな技術に関しても先進的な技術者が集まるコミュニティとしても定着している。

 これは、先頃、セールスフォース・ドットコムが発表したモバイルアプリケーション構築ソリューション「Salesforce1 Lightning」でも同様だ。すでに、topcoderコミュニティに技術者が集まり始め、Salesforce1 Lightning向けの部品を続々と開発している。

 このように最新技術を活用したモバイルアプリの開発にも、クラウドソーシングは威力を発揮することになる。

 日本におけるクラウドソーシングの取り組みを加速させる上では、こうしたアピリオによる、地道なtopcoderの認知度向上活動も、大きな役割を果たすに違いない。

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