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「Mobility Defined Network」とは―上海カンファレンスレポート

RJ-45は旧世代のもの?アルバが考える新時代の企業Wi-Fi

2014年12月15日 06時00分更新

文● 高橋睦美

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プログラマブルな無線ネットワーク「Mobility Defined Network」

 アルバはこれまでも、「MOVE(Mobile Virtual Enterprise)」というコンセプトを通じて、上記のStable、Secure、Smartの実現に取り組んできた。4つめのレイヤとなる「Simple」は、こうした要素を備えた無線ネットワークの管理をより容易にすることが狙いだ。「ユーザーやアプリケーションを可視化し、シンプルに管理できるようにしていく」(ドミニク氏)。

可視化の例。Aruba ATOMOSPHERE 2014の会場無線ネットワークにはこれだけのデバイスがつながっていた

 この流れでドミニク氏が注目しているのが、Software Defined Network(SDN)との連携だ。SDNでは、抽象化したネットワークリソースを、ポリシー(ルール)に基づいて制御する。同じように、ClearPassで定義されたアクセスポリシーを、ArubaOSを通じて、位置や時間といったコンテキストに基づいて適用する。一連の状況は、統合管理システムの「AirWave」上で可視化されるという。

 ドミニク氏は、こうして統合された無線ネットワークプラットフォームを中心にして、Northband APIを介してMicrosoft Lyncをはじめとするパートナーのアプリケーションと、Southband APIを通じてスイッチやファイアウォールといったネットワーク機器とそれぞれ連携し、オーケストレーションしていく構想を「Mobility Defined Network」と定義し、今後数年に渡って取り組んでいくと述べた。

 メルコート氏はインタビューの中で、「ネットワークが静的なものであった時代ならば、静的なやり方でもよかった。しかし、ネットワークが動的なものになっている今、ソフトウェアインテリジェンスを活用し、インフラのプログラム性を高めなければ、問題は解決できない」と述べている。

もう固定電話はいらない――モビリティがワークプレイスを変える

 ドミニク氏の基調講演で印象に残ったのは、アルバ自身がとうとうオフィスの机に置いていた固定電話を廃止し、モバイルデバイスを用いたユニファイドコミュニケーションに移行したという事実だ。

アルバ社内ではとうとう固定電話を廃止した。コスト削減効果も得られたという

 長らく固定電話が使われてきた仕事上のコミュニケーションだが、VoIPやユニファイドコミュニケーションによって、生産性の向上やコスト削減といったメリットが得られるようになった。この変化はまた、必ずしも机に座って、固定電話でコミュニケーションを取る必要はなくなったということを意味する。モバイルデバイスでユニファイドコミュニケーションが実現できるのならば、「もう机上の電話は不要で、ワイヤレス端末さえあれば常に『バーチャルエンタープライズ』の中にいることになる」とドミニク氏は語った。

 「ネットワークは、ワークプレイスを変革する際の障害になってはならない。今後もわれわれは、ビジネスに必要なものを提供していく」(ドミニク氏)

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