KDDIの100%子会社であるKDDIバリューイネイブラー(KVE)が、auの「4G LTE」ネットワークをMVNOで用いる格安のモバイルサービス「UQ mobile」を12月18日から開始する。これに合わせて、都内では発表会も開催された。
KDDI子会社自らによるau MVNOの格安サービス
大手量販店ブランドのサービスも登場予定
KVEは自社でサービスを開始するほか、大手量販店などとの協力のもと、サービス展開に必要なサポートなどのプラットフォームを提供する。UQ WiMAXと量販店ブランドのWiMAXサービスとの関係に似ていると言えるだろう。
UQ mobileはSIM単体での契約のほか、セット販売用の端末として、京セラ「KC-01」、LG「G3 Beat」の2機種のAndroidスマートフォンを用意している。なお、同じau MVNOの「mineo」同様にiOS 8では現状動作確認をしていない(au端末での動作確認は行なっている)。また、当初はmicroSIMのみとなる。
UQ mobileの主要プランは以下の表のように2つある。「データ高速プラン」は月2GBの高速通信が利用でき、それ以降は200kbps。「データ無制限プラン」は通信速度は300kbpsで通信量は無制限。ただし、2015年末まではキャンペーンで500kbpsに増速される。なお、3日で1GB以上の利用があった場合は、速度が制限されるケースがあるとしている。また音声通話付きSIMも用意されている。
(すべて税込) | データ高速プラン | データ無制限プラン | ||
---|---|---|---|---|
データ通信専用 | 音声通話プラン | データ通信専用 | 音声通話プラン | |
通信網 | au 4G LTE | |||
高速通信通信量 | 月2GB | 無制限/500kbps※ | ||
制限時の通信速度 | 200kbps | ― | ||
月額料金 | 1058円 | 1814円 | 2138円 | 2894円 |
初期費用 | 3240円 | |||
SIMサイズ | microSIM | |||
制限解除 | 現時点では無し | |||
SMS | 標準サービス | |||
最低利用期間 | なし | 12ヵ月 | なし | 12ヵ月 |
契約解除料 | ― | 1万260円 | ― | 1万260円 |
※:本来は300kbpsだが、2015年12月31日までは500kbps
SMSとテザリングには標準で対応。「@uqmobile.jp」のメールサービスは月216円で追加可能だが、システムにMMSを用いているため、au端末では一部の機種でのみ利用可能だ。
3万円台のミドルレンジの
京セラ製とLG製のスマホ2台を用意
UQ mobileで提供されるAndroidスマートフォンは、ミドルレンジの性能を持つ2機種だ。
まず、京セラ「KC-01」(2万9760円、税抜)は、4.5型qHD液晶(540×960ドット)で防水・防塵対応のコンパクト機。ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信などの機能には非対応だが、画面全体で音声を再生することで騒がしい場所でも通話しやすいスマートソニックレシーバー機能を搭載。全体的にガッチリしたボディーを持ちながら、約133gとまずまず軽量で幅広いユーザーに受け入れられそうな1台だ。
CPUはクアッドコアのSnapdragon 400(MSM8926) 1.2GHz、メインメモリーは1.5GB、カメラはメインが約800万画素、インが約200万画素、バッテリー容量は2000mAh、OSはAndroid 4.4。
つづいてLG「G3 Beat」(3万4800円、税抜)は、日本未登場のグローバルフラグシップ「G3」の機能を継承するミドルレンジ機。ディスプレーは5型True IPS液晶(720×1280ドット)で下り最大150MbpsのLTEに対応。CPUはこちらもクアッドコアのSnapdragon 400(MSM8926) 1.2GHzで、メインメモリーは1GB。バッテリー容量は2460mAhで、OSはAndroid 4.4。LG製端末の特徴である背面の電源キーを本機も搭載し、画面をタップするだけでロック解除が可能な「ノックコード」にも対応している。
なお、2機種とも最近のau端末で対応している、キャリアアグリゲーションやWiMAX 2+には対応していないが、これはあくまで端末側の制限で、UQ mobileのサービスとしては対応している。また基本的にSIMフリー端末ではないとのこと。
端末の購入方法として、「一括払い」のほかに「端末購入アシスト」が用意されている。「端末購入アシスト」は実質的な24回の割賦払いであり、初期の負担を抑えて端末を入手できる。
なお、発表会に登壇した同社代表取締役社長の菱岡弘氏は、高齢者になるほど普及率が下がるスマートフォン市場にはまだまだ拡大余地があるとし、スマホの新しい選択肢を提案していきたいと意気込みを語った。また「目標は3年で100万台」とし、販売パートナーとともにMVNO市場を積極的に盛り上げていく姿勢を示している。
(次ページでは、「スマホ2台のさらなる写真と詳細スペック」)