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日本マイクロソフトは、12月9日、公共機関向けクラウドビジネスに関する説明会を行なった。
だが、会見の内容に特に目新しいものはみられなかった。公共機関向けの新たなサービスが発表されたわけでもなく、新たな施策も発表されなかった。あえてあげるとすれば、説明にあたった日本マイクロソフトの執行役常務パブリックセクター担当・織田浩義氏が、日本国内における公共機関向けクラウド事業の売上高を、今後年率4倍で成長させる方針を打ち出した点だけが、新たなトピックスであった。
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日本マイクロソフト 執行役常務パブリックセクター担当の織田浩義氏 |
しかしこれも、日本マイクロソフト全体で、年率3倍以上の成長を目指すという方針を明らかにした後だけに、それを上回る目標値とはいえ、インパクトには欠けるといわざるを得ない。
それにも関わらず、なぜ日本マイクロソフトは公共機関向けクラウドビジネスに関する会見を行なったのだろうか。
それは、日本における公共機関向けクラウドビジネスが新たなフェーズへと入ってきたことが大きい。つまり、「ギア」が一段アップしたタイミングが「今」ということになるのだ。
最大の変化は、国内データセンターの開設
では、どんな進化が、日本マイクロソフトの公共機関向けクラウドビジネスで起こっているのか。
最大の変化は、国内データセンターの開設である。
日本マイクロソフトは、今年2月から「Microsoft Azure」の国内データセンターを稼働させたのに続き、12月には統合型情報共有クラウドサービス「Microsoft Office 365」、来年早々には統合型CRMアプリケーションサービス「Microsoft Dynamics CRM Online」においても、国内データセンターを稼働させ、それぞれ国内データセンターからサービスを提供する。
これにより、主要パブリッククラウドサービスのすべてを国内データセンターから提供するとともに、東日本と西日本の2ヵ所の国内データセンターからサービスを提供する体制としたことで、国内のデータセンターだけでデータバックアップができる環境を実現した。
「政府や官公庁、自治体といった行政のほか、教育、医療といった公共機関のユーザーにとっても、日本マイクロソフトのパブリッククラウドサービスを利用しやすい環境が整った」と、日本マイクロソフト 執行役常務パブリックセクター担当の織田浩義氏は自信をみせる。
織田執行役常務によると、「今年2月に、Microsoft Azure向けに日本データセンターを開設して以降、公共機関のお客様からとてつもなく多くの引き合いをいただいている」とする。これがさらに加速する環境が整ったわけだ。

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