Lambdaはほぼすべてのパターンで使える汎用性が魅力
Aurora移行宣言ゲットのcloudpack吉田、re:Inventを総括するの巻
2014年12月16日 06時00分更新
クラウド界隈の人たちをゲストに迎え、お酒を呑ませてフリートークを炸裂させようという「飯田橋クラウドクラブ(略称:イイクラ)」。2回目の最後で遅れてきたcloudpackの吉田真吾さんが到着し、ナイトトークが白熱!そろそろサービスの話に戻しますかね。
今回の登場人物
cloudpack吉田:アイレット cloudpack事業部 エバンジェリスト 吉田真吾。JAWS-UGの活動を通じて、年間100回以上の講演を行なうまさにクラウドの語り部。JAWS-UGを中心に日本全国を渡り歩いている。
Michael:クラウドエンジニア Michael H. Oshita (@ijin) 個人で活躍しつつもCloudsource社 CCO, Walti社 CTOを兼任。お仕事帰りに吉田さんに連れてこられて、飛び入り。
ISID渥美:電通国際情報サービス(ISID) 技術本部 クラウドビジネス推進部 エグゼクティブプロジェクトデイレクター クラウドエバンジェリスト 渥美俊英。通称は渥美エバ。大手SIerでクラウドエバンジェリストとして、講演、取材など多々。CUPAの運営委員としてもおなじみの業界ご意見番。
ISID品田:電通国際情報サービス(ISID)技術本部 クラウドビジネス推進部 コンサルタント 品田裕平。渥美さんの横でSPのように現れる。色気のあるボイスで、静かにサービスの魅力を語る。
MB得上:マイニングブラウニー代表取締役 得上竜一。Webクローリングや機械学習に詳しい一匹狼。JAWS-UG代表だったのにクラウド界隈をかき回す厄介な人として、TECH.ASCII.jpでもおなじみ。品田さんにおみやげのnikeバンドをもらい上機嫌
TECH大谷:TECH.ASCII.jpの担当記者 大谷イビサ。今回連載のホスト・執筆者。お酒で舌をなめらかにして、re:Inventの話を聞こうとしている。
Auroraのクォーラム実装とOracle対抗の暗号化
(cloudpack吉田さん登場後、20分くらいre:playの話、マダムタッソーの話、ノベルティの話など)
TECH大谷:一同ちゅうもーく!そろそろ、吉田さんに話してもらってよいですか? 先にFBでメモ出してもらってたんで。
一同:あー、ごめんなさい!!(笑)。
TECH大谷:では、吉田さんにはAuroraから総括してもらいましょうか。
cloudpack吉田:いいですか? Auroraは、初めて本当のクラウドのRDBを作ったと思ってます。なぜかというと、プラットフォームが抽象化されているからです。
TECH大谷:その抽象化について、ぜひ具体的に!
cloudpack吉田:はい。あのアーキテクチャのいいところは、DBエンジンのよさもあるんだけど、クォーラムを実装しているので分散環境で安定して使えるところ。6本のディスクを搭載して、書き込みの応答が4本のディスク、読み出しの応答が3本のディスクを使う。要はディスクのライフサイクルに影響されることなく、性能が担保できてAvailabilityが99.99%で実現できる。ディスク障害時でも、読み書きの一貫性を保証できる。
ISID渥美:そう。ディスクで多数決するやり方ね。ネットワーク経由でデータの入出力をやると遅延やエラーが起こる。だから、ギリギリの時間の中で、6本のうちどれかからレスポンスがなくても大丈夫な仕組みを用意したわけ。
cloudpack吉田:過去、Amazon S3やDynamo DBみたいに“完全にプラットフォームを抽象化したサービス”では実現してたんですけど、AuroraではRDSという比較的既存のインフラのアーキテクチャに近いサービスでこれを実装してきた。このマッシュアップ感がたまらないですね。
ISID渥美:クォーラムをRDBで実現したのは、しびれますよ。クラウドネイティブなRDB、本当にスケールするRDBが他でもなくAWSによってできあがった、ということなんです。これシビレすぎ! 他社の商用RDBは、もともと高額のストレージ、オンプレを前提にするから、こういう発想にならないですよ。
TECH大谷:Auroraって、どこらへんのお客さんがはまりそうですか。吉田さんにも聞いてみたい。
cloudpack吉田:Auroraってエンタープライズ向けって言ってますが、直近はゲーム系のお客様がリプレースに動くんじゃないかなと思っています。なによりMySQLの5倍速いっていう性能が目を惹くし、ゲームの世界でもAvailability 99.99%ってけっこう重要なので。
ISID品田:Oracleからのリプレース行きますかねえ。
cloudpack吉田:うーん。エンタープライズにとってみると、ややシンプル過ぎるから、いきなりは行かないんじゃないかなあ。でも、Oracleの透過的暗号化オプションのライセンスに難色を示している人にはリーチするかも。なんといっても高価なセキュリティオプションが、Auroraだとほぼ無料で使えるので。
ISID渥美:そうそう。AWSへの移行では、RACだとか暗号化オプションだ、ということが制約や検討事項になるんですね。Oracleの暗号化オプションって2つあって、イントラ内の暗号化通信と(暗号化しつつ検索もできるという)透過的な暗号化オプション。AWS上ではRDSでもこのオプションだけはBYOL、持込ライセンスに限られている。このOracleのこだわりをAWSは自前実装で一気に コモディティ化した。これはやっぱりすごいわ。
(次ページ、エンタープライズのお客様がAurora行きます!)
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