PC・スマホ周辺機器の雄、エレコムがハイレゾ音源対応のイヤフォンを発表した。同社はここ最近、音質に特徴付けを施したイヤフォン製品を散発的に発表してきたので、『ついに来たか!(ガタッ)』という思いだ。
同社からはほぼ同時期に「室内使い用のワイヤレスヘッドホン」という変わり種も登場。筆者の持つエレコムイメージから良い意味で逸脱した製品が出始めたのには何か理由があるに違いないということで、さっそく同社の商品開発部 福良卓二氏、遠藤稔也氏にお話を伺ってみることにした。
“広く安価に”の次は“深さの追求”へ
EHP-CH1000/2000は満を持してのハイレゾモデル
まず、ハイレゾ音源対応イヤフォン・EHP-CH1000/2000シリーズを担当した商品開発部 開発3課課長 福良卓二氏に、エレコムが音質重視のイヤフォンを開発した理由について聞いた。
── エレコムとして、初のハイレゾ対応イヤフォンということになります。それにしても、2014年にはいくつかの特徴的なイヤフォン製品が登場していますが、これには理由が?
福良氏(以下敬称略) 「エレコムの使命は“手ごろな価格で広く行き渡らせる”ことです。イヤフォンも長年それに沿って作られていました。ところが社長から『音質も重視せよ』と突如号令がかかったのです」
── トップからの音質改善指令ですか。
福良 「そうなんです(笑)。そこで、EHP-C3560シリーズ(2013年10月発売)から本格的に音質に取り組み始めました。続くEHP-CA3570およびEHP-CA3580シリーズでは重低音にこだわり、特にEHP-CA3580シリーズでは、音質をエレクトロサウンドに特化させる試みにも挑戦してみました」
── そして今回、満を持してハイレゾ対応製品を、ということですね。
福良 「ハイレゾ音源は、専用プレーヤーがいくつか登場しているのに加え、スマホの最新モデルでも再生可能のものが目立ち始めました。音楽好きのなかでもマニアクラスの人たちが楽しんでいたハイレゾ音源は、これからより一般化するのではないでしょうか」
――このように語ってくださった福良氏が紹介してくれたのが、ハイレゾ音源に対応するカナル(耳栓)型イヤフォンのハイスペックモデル・EHP-CH1000およびEHP-CH2000シリーズだ。
エレコムが送り出すハイレゾ対応イヤフォンとは? 次ページからはその特徴について解説していこう。
総額3000万円オーバー! ガチ過ぎる
冒頭の写真でピンと来た方も多いと思うが、インタビュー場所に到着した取材陣を待ちかまえていたのは超ハイエンドなオーディオシステム。
左右を固めるのはavantgardeのフラグシップ「trio Ω G2 classico」と「basshorn G2」6台という全部乗せ状態のホーンスピーカーシステム。この時点でおそらく2000万弱。
そして中央に鎮座するのはESOTERICの最高級機種よりどりみどり計8台。……どう計算しても3000万超えは確実だ。いまいちオーディオの世界に疎い筆者は、ショップ以外でここまで揃っているのを初めて見たのだった(そして最後の機会だろう)。
これはイヤフォンだけでなく、スピーカーにも期待していいのかな!?