広がりをみせるLED照明製品群
パナソニックのLED照明製品群も広がりをみせている。
住宅用照明分野では、付加価値製品の品種拡充や、リフォームへの取り組みを強化。「美ルック」シリーズとして、料理やインテリア、小物、肌などを色鮮やかに照らす機能を特徴としている。
ユーザーの体感アンケートでは、料理がおいしそうにみえる、顔色が良く見える、肌の色がきれいにみえるといった評価があがっているという。
また、非住宅用では、LEDへの置き換えが進展中の施設分野では汎用型ベースライトの品種拡充、学校や病院といった市場別展開を強化。ここでは、iDシリーズを定番商品としてラインアップしている。
iDシリーズは、シンプルなデザインと、ベース部分とあかりとの組み合わせによって、既設器具のあとを隠すような設置が可能であり、リニューアルにも対応しやすいこと、1万6500円からの購入しやすい価格設定としていることが特徴。発売1年で100万台、発売2年で300万台を出荷した実績を持つという。明治大学駿河台キャンパスでは、1300台のiDシリーズと、1400台のLEDダウンライトを導入。約60%の省エネ化と、ランプ交換のメンテナンス費用が大幅に削減されるという効果が出ているとした。
LED化が最も速い店舗分野では、スペクティング技術製品の品種拡充、ソリューション型照明の投入を行なっている。
生鮮食品や植栽を鮮やかにみせる「彩光色」、女性の肌の色や素材の美しさをきれいにみせる「美光色」を採用。島根県で15店舗を展開するスーパーのみしまやでは、彩光色のLEDスポットライトを375台、iDシリーズを162台導入。食材が新鮮でおいしそうにみえる、商品POPがみやすい、店内が明るいという効果が出ているとした。美光色のLEDスポットライト30台を採用し、美術作品の照明に活用した広島県呉市の蘭島閣美術館では、作品へのダメージが少ないことや、作品の色を忠実に再現するといったメリットが出ているという。
インフラ投資が期待できる屋外分野では、ユニットのモジュラー化による品種展開、ダイナミックライティングの市場投入などを図っている。片手で持てるほどの機器の小型軽量化は、施工作業の効率化も実現しているという。熊本県天草市では、環境省の補助金を利用しながら、約1万台のLED防犯灯を設置。省エネ性や省メンテナンス性を実現したほか、夜道が明るく見えることから、防犯効果や安心感を高めることに貢献しているという。
パナソニックは、これらの照明技術を生かして東京スカイツリーのライティングをサポート。照明コンサルタントの戸恒浩人氏による「粋」や「雅」のイメージを忠実に再現するため、コンセプトカラーを定量的に把握し、それをもとに独自の色再現技術と、青色LEDと蛍光体で構成したLEDパッケージを活用。集積型LEDを利用することで高出力の光を実現。
また、フルカラー演出が可能なRGBのLEDを組み合わせた照明や、頂点部を白く照らす、2度という超狭角配光を実現するパラボラ曲面反射板を搭載したゲイン塔照明、鉄骨交点に配置した348台のフルカラー演出のための照明も活用。東京スカイツリー全体で2000台強の照明器具を利用しているという。