道行く人300人に、タブレット端末を実際にさわって評価してもらいました
「iPad」が高評価だが「TransBook」もNo.1 多様化したユーザーが望むのはどれか?
2014年12月03日 19時00分更新
男性は「Switch 10」、女性と初心者は「MeMO Pad」
この「拡張性情報を開示した段階での評価」をさらに詳しく見みてみよう。まずは性別との関連性。参加者の男女別の評価では、男性は「Aspire Switch 10」、女性は「MeMO Pad ME176」を最も評価していることがわかる。
- 「MeMO Pad ME176」の女性の評価コメント
- 【20代後半女性】microSDカードが使えて、デザインも好き。
- 【40代前半女性】サイズが小さく、持ち歩きしやすい。
既述のように、男性はキーボードの脱着可能なこと、またWindowsであることなどを評価してAspire Switch 10を、女性はコンパクトな筐体であること、そしてmicroSDカード等の拡張性を評価して、MeMO Pad ME176に高い魅力度を付けている。
一方、パソコンの習熟度別に分析してみると、パソコン初心者や未利用者層に絞れば、「Xperia Z2 Tablet」の魅力度がトップとなった。そして、これを画面サイズが8インチ以下と9インチ以上に分けて分析してみると、8インチ以下では「MeMO Pad ME176」の魅力度が「iPad mini 2」を上回った。
つまり、拡張性情報を開示した段階での評価トップは、全体ではTransBook T100TAだが、男性はSwitch 10、女性とパソコン初心者(8インチ以下の場合)はMemo Pad、またパソコン初心者は9インチ以上ではXperia Z2 Tabletと、属性によって魅力を感じる端末が異なっている。
動画再生でも「Xperia Z2 Tablet」
今回の調査では、ネット、動画鑑賞、ビジネスという3つの利用シーンを想定して、参加者に
- 普段見ているWebサイトを、検索してWebブラウザーで見てもらう
- フルHD動画を鑑賞、停止やシークなどの操作をしてもらう
- 表計算アプリで15+51を計算してもらう(数字はあらかじめ入力してある)
という3つのタスクを実行してもらった。
冒頭のブラインドテストは、この3つのタスクを実行してもらった後の総合的な評価だが、個々のタスクについての評価も聞いた。その結果、Webサイトの表示・閲読のしやすさ、また表計算の実行については、「iPad Air」や「iPad mini 2」が最も高い評価を得た。
一方で、動画再生について。実際に動画を再生して映像を見てもらい、また操作してもらった結果の評価は、「Xperia Z2 Tablet」がトップとなった。
- 「Xperia Z2 Tablet」の評価コメント
- 【20代後半男性】表計算やブラウザーの挙動にあまり差は感じられなかったが、動画再生時の挙動、一時停止などのスムーズさが良かった。
- 【20代後半女性】映像を見ていて疲れなかった。サイズ感や使い勝手がお手頃。
- 【30代前半女性】動画の画質がキレイだから。
「トリルミナスディスプレイ for mobile」や高画質エンジン等、ソニーらしく映像面での画質を追求していることが、実際にユーザーの反応にも現れたと言える。
ユーザー属性、用途によって多様なタブレット端末に高い評価
今回の調査結果からは、ブラインド調査でも、iPadの魅力度の高さが明らかになった。タップに対する反応などの操作性の良さ、画面がきれいなこと、デザインなどについて、Appleのブランド力を抜きにしても、個々のユーザーのコメントではとくに高く評価されている。
だがその一方で、上記結果のように、タブレットにおいてキーボードが接続できること、メモリーカードが直接読み取れることも大きな評価ポイントになっていて、その点に関しては「TransBook T100TA」や「Aspire Switch 10」の評価がiPadを上回った。
これには、いままでパソコンしか使っておらず、今回初めてタブレットに触れるような層が、慣れ親しんだパソコン的な使い方ができることを評価したということと、ビジネスユーザーやITリテラシーの高い層にとっては、キーボードがあったほうが入力しやすいということの、2つの側面があることが調査参加者のコメントからは読み取れる。
さらにMemo Pad、Switch 10、Xperia Z2 Tabletも、それぞれ高く評価されている。ユーザーの属性によって、および用途によって評価される端末が異なってきており、多様化したニーズにあわせた端末が望まれるようになった。裏返せば、1機種のタブレット端末だけでは、個々のニーズに応えにくくなっているということなのだろう。