コスパも拡張性も最高!NetAppのSANの真価とは? 第1回
FASが難しかったエントリーのニーズも、コスト重視のビッグデータ用途も
NetAppストレージでコスパ最高のSANが構築できるって本当?
2014年12月08日 06時00分更新
「NetAppと言えばNASの会社」という認識は間違っていない。でも、実はNetAppストレージでコストパフォーマンスの高いSANソリューションが構築できるのをご存じだろうか? ネットアップの「Eシリーズ」によるSANをイチオシするお二方に話を聞いた。
「なぜ今頃SANなんですか?」「実は売上の半分はSAN関連です」
TECH大谷:ネットアップといえば高速なNFSサーバーとしてのFASだし、ストレージOSのData ONTAPですよね。そんなネットアップが、なぜ今頃SANなんですか?
NetApp平野:ストレージ市場は、ハイエンドが厳しくなって、ミッドレンジやエントリの市場に移ってきています。ミッドレンジ製品の性能が高くなっているのと、エントリ市場でさまざまなニーズが顕在化しているからです。たとえば、中小企業で典型的なソリューションとしては、オラクルのDBが2台のサーバーで数百GB載っているRAC構成で、バックアップをテープに出すというもの。でもコストはそれほどかけられない。こういう「数百万円でエンタープライズクラスが必要」というSANのニーズはすごくあるんです。

ネットアップ システム技術本部 エバンジェリスト 平野和弘氏
実は、これだとData ONTAPのスナップショット機能は要りません。でも、以前のネットアップはData ONTAPやFASにこだわる傾向がありました。スナップショットをはじめ、FASの機能があまりにも強力なため、NFSやiSCSI主体で推していくといった傾向があったんです。
NetApp橋本:でも、お客様のニーズも多様化して、FASだけではミートしなくなってきたんです。多機能だけがストレージの価値ではない。たとえば、FCのHDDが使われなくなり、フラッシュもキャッシュで使うようになっていますよね。ストレージの冗長化だって、一昔前はベテランのオペレーターが切り替えを手作業でやってましたが、仮想化の浸透した今はストレージのマイグレーションが使えます。こうしてストレージの価値ってなにかを考え直した結果として、弊社のSANストレージにも十分競争力があると気がついたわけです。

ネットアップ システム技術本部 コンサルティング システムズエンジニア 橋本格氏
TECH大谷:なるほど。とはいえ、ネットアップはSANのイメージがないのですが……。
NetApp橋本:確かにネットアップはNASの認知度が高いのですが、NAS以外のストレージも数多く出荷していて、OEMは実はナンバーワン。つまり、NetAppのロゴのついていないSANストレージも相当数出荷しているということです。そして、今度は国内でも自社ブランドで売り始めます。
NetApp平野:自社ブランドでのSANストレージの売上は、今年に入って急速に伸びています。先日の「Insight 2014」でも明らかになりましたが、すでに売上の約半分はSAN関連なんです。
「SANソリューションは?」「安価で高性能なEシリーズ推しです」
TECH大谷:では、実際のSANソリューションを教えてください。
NetApp平野::Data ONTAPはユニファイドストレージなのでSANでの利用も可能ですが、多くはNASとして使われています。一方、弊社でSAN専用のストレージというと、Data ONTAPの載っていない「Eシリーズ」になります。お客様には、FASが「インテリ系」で、Eシリーズは「体育会系」と説明しています(笑)。安価で堅牢で高性能なSANストレージです。

「FASが『インテリ系』で、Eシリーズは『体育会系』と説明しています」(平野氏)
TECH大谷:体育会系とは、わかりやすいですね。
NetApp平野:Eシリーズはファイバチャネルだけではなく、SASで高性能なSANを組めますし、上位機種だとInfiniBandも対応しています。パリティディスクが不要で、リカバリ時間を大幅に短縮できるDDP(Dynamic Disk Pool)も大きな売り。機能面でもFASには搭載していないチャンクレット型のリカバリなどを持っているので、短時間のリカバリが可能になっています。
NetApp橋本:EシリーズはSASの6Gbpsとか使い切るくらい高速なストレージで、シーケンシャルも、ランダムもオールラウンドです。機能面でも他社と同等のスナップショットや筐体間のボリュームコピー、シンプロビジョニングもできるので、「エンタープライズのベースライン」は満たしていると言えます。グローバルで75万台も販売実績を持っていますが、これだけ売れているストレージ製品は、まずないでしょう。非常に面白いマシンですよ。

「グローバルで75万台も販売実績を持っています。これだけ売れているストレージ製品は、まずないでしょう」(橋本氏)
TECH大谷:安価ですが、安かろう悪かろうではないと。
NetApp平野:はい。先ほどネットアップはData ONTAPやFASにこだわりすぎていたと言いましたが、そもそも3年前まではEシリーズのような製品がなかったので、しようがなかったんです。でも、今後はOEMのくびきも外れたので、バンバン売れます。市場があるのに売ってこなかったので、不戦敗。もったいないですよね。
TECH大谷:売り出し中のオールフラッシュストレージもSAN対応ですよね。
NetApp橋本:オールフラッシュでも使い分けがあって、単機能でスピード勝負というところにはEFシリーズ、高機能なニーズにはオールフラッシュのFASか、新製品の「FlashRay」が最適でしょう。いろいろなニーズに手広く対応できるようになりつつあります。
TECH大谷:FASとEシリーズの使い分けはどうなっているのでしょうか?
NetApp平野:バックアップ、リカバリなどのSLAが厳しいところはFASのSANが多く、大容量、安価を求めるニーズにはEシリーズが多いですね。一方で、Data ONTAPの「FlexArray」機能を使って、FASのコントローラーの配下に、Eシリーズを導入することも可能です。要望に合わせて、いろいろな使い方が可能です。

FASとEシリーズの用途の違い
(次ページ、「でもお高いんでしょ?」「他社ローエンドSANと勝負できます!」)

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