注目スタートアップのビジネスモデルを分かりやすく紹介。CaSyは1時間2500円のクラウドソーシング型家事代行サービスを運営するベンチャー。インターネット予約システムを整えることで営業やコーディネーターなどにかける販管費をカットして、価格に反映した。
「皿洗いどっちがやるか問題」は共働き夫婦に訪れる試練だ 写真:Robert S. Donovan
キッチン、バスルームの掃除、部屋の掃除に片づけ、エトセトラ。家事は夫婦ゲンカの理由になりやすい。共働きならなおさらだ。
カジー(CaSy)は1時間2500円、業界最安値クラスの価格でクラウドソーシング型の家事代行サービスを提供する事業者だ。既存の家事代行は1時間4000〜6000円という中、相場のほぼ半値だ。
代表は胡桃沢精一社長。みずほ証券出身で、自分自身が多忙を極める共働き・子育て世代だったことから事業を発想した。
「家事代行の利用者だったが値段が高く、価格体系が不透明、プロセスが面倒ということでサービスを立ち上げた」(胡桃沢代表)
カジーの強みはインターネット予約システム。営業やコーディネーターなどにかかる販管費をカットして、価格に反映した。通常は予約から2週間ほど必要なところを2日前の18時まで受け付ける予約システム、面接・研修を通じたスタッフ教育によるサービスの品質が売り。
女性の社会進出、高齢化に伴って、家事代行の市場は年率20%で伸びていると胡桃沢代表。将来的には8000億円市場に膨らむと予測されているという。現時点で利用者の評価では5点満点で平均4.7点と高い。安くてもスタッフが良かったというコメントをもらっているという。
創業間もなく、用途としては水回りの掃除、リビングの片づけが多い。まだ子守りなどはやってないが要望は多く、今後他社との協業も含めて考えていきたいという。展開先は首都圏から始め、名古屋・大阪など都市部に展開していきたいとしている。
参入障壁は「めちゃくちゃ低い」(胡桃沢代表)が、ダスキンなどを頂点とする家事代行業界はおよそ8割が年商1億未満の中小企業で、うち半分が1000万円の零細企業。カジー独自のスタッフマッチングエンジンや、申し込みシステムの使いやすさを差別化要素にしたいと話す。
「わたしも共働きだが、土日に家事分担のことでケンカをしたり、どちらかが家事をしている風景があった。こうしたサービスを使うことで問題を解決したいと考えている」(胡桃沢代表)

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