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日立ソリューションズ、主力セキュリティ製品をリニューアル

「出さない」「見せない」「放さない」で秘文ブランドを刷新

2014年11月28日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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11月27日、日立ソリューションズは情報漏えい防止ソリューション「秘文」のコンセプトを刷新し、製品体系も2015年春に一新することを発表した。また、情報漏えいが起こった場合でも、ファイルを失効できる「秘文 Data Protection」を2014年12月から提供する。

カテゴリ別から目的別へ製品を再整理

 秘文は1996年の登場から18年の歴史を持つ老舗のセキュリティ対策ソフト。これまで「エンドポイント」「メール・Web」「クラウド・スマートデバイス」「ファイルサーバ」という利用環境をベースにした4つのカテゴリで約40製品が提供されてきた。

 今回は2015年春に秘文のブランド・コンセプトを刷新されることが発表された。具体的には、漏えいしてならない情報を社外に「出さない」、情報を社外に出しても中身を「見せない」、情報を共有しても、いつでも消せるように「放さない」という目的に応じて、製品に再編。また、ライセンス購入型に加え、新ブランド発表以降、サブスクリプション型でのライセンス提供を開始する。

「出さない」「見せない」「放さない」の3つのコンセプト

 こうした新ブランドの元、「見せない」を実現する製品としてブランド刷新に先行して投入される新製品が「秘文 Data Protection」になる。秘文 Data Protectionはパートナー経由で機密情報が漏れるのを阻止するソリューション。編集・印刷操作の禁止、パスワード認証、透かし表示などのファイル保護機能に加え、万が一漏えいした場合にファイル閲覧を停止させるファイルの失効機能を持つ。

「出さない」「見せない」「放さない」の3つのコンセプト

 また、有効期限で閲覧を禁止させたり、複数回の認証失敗など流出の予兆を管理者に通知することも可能になっている。さらにファイルの保護やログ管理を実現するサーバーもクラウド型で提供されるため、導入や運用コストを低減するという。

対処療法から企業の成長にあった情報漏えい対策を

 こうしたコンセプトの刷新は、セキュリティリスクが大きく変わってきているという背景がある。従来の企業は、情報漏えい事件などをニュースで見て、付け焼き刃的な対策を繰り返している。日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部 事業部長 石原繁樹氏は、「後手後手の対処療法を繰り返している。これではせっかくのセキュリティ対策が役に立たないばかりか、企業の成長に寄与しない」とのことで、本来は情報漏えい対策は事業計画と一体であるべきと指摘する。

後手後手の対処療法になっている悪しきサイクル

 もう1つは企業間での“共創”が増えてきたことで、パートナーと強みの源泉となる情報を適切に共有する必要が出てきた点がある。「従来の情報資産は、持ち出せない機密情報と持ち出せる情報の2種類しかなかった。しかし共創の時代、共有する情報資産という3つ目のカテゴリが生まれた」(石原氏)というわけだ。しかも、デバイスの多様化、グローバル化などが進み、複雑化したシステムの中で内部漏えいのリスクが高くなると共に、サイバー攻撃はますます高度化している。

共創の時代では共有する情報資産も重要

 こうした課題に対して、秘文は前述した「出さない」「見せない」「放さない」という3つのアプローチを用いて、機密情報を最適な形で守れるという。石原氏は、「秘文なら、企業の成長を見守ることができる。日本のビジネスを安心にするのが秘文の役割」とアピールした。

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