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イスラエルITいろはにほへと 第13回

イスラエル起業界の有名人、兵役後すぐ新地図サービス作りへ

2014年11月27日 09時00分更新

文● 加藤スティーブ(ISRATECH)

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「Israel Startup Map」創業者のBen Langと著者。日本からのスタートアップCapyのメンバーがMicrosoft Venturesのイスラエルオフィスに入居しているため日本の旗も掲げられている。(同オフィス内)

 今回、「Israel Startup Map」創業者のBen Langからちょうど兵役を終えたということで連絡が届いた。「日本へまだ来たことがない、ぜひ行きたい」「日本と何かやりたい」ということ。

 漠然とした目的ではあるが、イスラエル訪問する機会があったので、イスラエルのヘルツェリアにある「Microsoft Israel R&D Center」の横に併設している「Microsoft Ventures」へ彼を訪ねた。

 なお、このイスラエルのMicrosoft Ventures Israelには、日本からCapyの島田氏が、同オフィスに在籍しており、Ben Langの日本への興味がより身近になったのかもしれない。

 さて、彼はIsrael Startup Mapを展開していたことから、イスラエルのスタートアップ界隈の知名度は抜群である。彼は、最近兵役が終わり、自身のスタートアップ「Mappedly」をスタートさせたということで、その紹介を受けた。チームは、5人。すでに複数の投資家から資金を調達しているようである。

 この「Mappedly」は、Israel Startup Mapで蓄積した経験を活かし、クラウドソーシングでマップを作成できるプラットフォームを構築している。狙いとしては、コミュニティをどんどん増やし、そのコミュニティをMappedly上で束ねることにフォーカスしている。

「Israel Startup Map」創業者のBen Lang

 8月にローンチしたばかりであるが、世界各国にすでに100以上のコミュニティはあるようであった。私にも、日本のスタートアップマップを作ってくれと依頼されたが、丁重にお断りした。(笑)

 私の知る限り、イスラエルの起業家というと、兵役後はグローバル企業のR&Dに勤めたり、現地で大きめのスタートアップに勤めたりして、経験を積んで、起業というケースが一般的という認識でいた。ただ、彼は、兵役を終え、すぐに起業という、稀有なケースだと思う。

 アイデアは、だれでも思いつきそうなものではある。ただ、イスラエルのスタートアップ界隈では、抜群の知名度があるだけに、「コミュニティに特化した地図」というキーワードでどういう展開をしていくのか、今後に注目したい。

筆者紹介──加藤スティーブ


著者近影

イスラエルの尖った技術に着目して、2006年にイスラエル初訪問。2009年にISRATECHを設立し、毎月40〜60社のスタートアップが生まれるイスラエル企業の情報を日本へ発信し続ける。2012年にはイスラエル国内にも拠点を設立。イスラエルのイノベーションを日本へ取り込むための活動に着手する。ダイヤモンドオンラインにて「サムスンは既に10年前に進出! 発明大国イスラエルの頭脳を生かせ」を連載。


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